vol.66(2022年2月)
フレンディーだよりvol.66(2022年2月発行)
- PETが新しくなりました
- 黒部市民病院でPCPS/ECMOによる治療が可能となりました
- 集中ケア認定看護師として今後の課題
- 黒部市民病院世界糖尿病デーイベント2021
- 【お知らせ】整形外科 外来診療担当医表
- 【お知らせ】院内レストラン「ビアンモール(bien mall)がリニューアルオープンしました!
- 講演・勉強会のご案内
PETが新しくなりました
核医学 PETセンター
医師 清水 正司
令和3年9月30日付けで、PET/CT(X線CT組合せ型ポジトロンCT装置)が更新されました。北陸地方で初めて導入された機種で、機種名はシーメンス社製バイオグラフホライズンです。短時間撮影と高コントラストの技術としてLSO(ルテティウムベース検出器)とTOF(Time of Flight)、微小病変検出の技術としてPSF(Point Spread Function)によるHD・PET画像再構成等、最新技術が搭載されています。
現在富山県内では、当院の他、富山大学附属病院、とやまPET画像診断センター、富山労災病院の4医療機関で、PET/CT装置が導入されていますが、更新できたのは、富山大学附属病院と当院のみとなります。
現在富山県内では、当院の他、富山大学附属病院、とやまPET画像診断センター、富山労災病院の4医療機関で、PET/CT装置が導入されていますが、更新できたのは、富山大学附属病院と当院のみとなります。
PETの保険適用疾患は、悪性腫瘍に関しては、早期胃がんを除くすべての悪性腫瘍で、他の検査、画像診断により、病期診断、転移・再発診断が確定できない患者に使用するとなっており、早期胃がんや悪性腫瘍疑いは保険適用とはなっていません。また、PETの保険適用の要件として、PETが施行される約3か月以内前に、他の検査(内視鏡検査、超音波検査)や画像診断(単純X線検査、CT、MRI)が施行されている必要があります。その他、てんかん(難治性部分てんかん)、大型血管炎(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)、心疾患(心サルコイドーシス、虚血性心疾患のバイアビリティ診断)にも保険適用がありますが、悪性腫瘍同様、保険適用の要件が定められています。
アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化として、ビザミル静注が効能効果を認められ、すでに販売されています。いずれ保険適用となり、当院でも最先端の認知症画像診断が施行できることを期待しています。
アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化として、ビザミル静注が効能効果を認められ、すでに販売されています。いずれ保険適用となり、当院でも最先端の認知症画像診断が施行できることを期待しています。
黒部市民病院でPCPS/ECMOによる治療が可能となりました
循環器内科 油谷 伊佐央
2021年4月より経皮的心肺補助装置(一般的に心肺補助のときはPCPS、肺補助のときはECMOと呼ぶ)による治療が施行可能となりました。
血液を循環させる遠心ポンプと酸素交換を行う体外式膜型人工肺から構成される人工心肺装置です。5〜7mm程度の太さの管を足の付け根の動脈および静脈から挿入する必要があります。右心房から血液を引き、遠心ポンプで全身を循環させる血流を作り出し、人工肺にて酸素を供給した上で足の動脈に血液を戻します。心臓と肺の肩代わりをしてくれる装置です。強力な心肺補助となりますが、その管理は専門的知識・人手・時間を要し、容易ではありません。出血、血栓塞栓症および感染症を代表とする合併症も非常に多く、夢のような治療ではありません。適応は、重症の心筋梗塞や肺塞栓症に代表される他の一般的な治療法で維持困難な急性循環不全や心肺停止状態ですが、救命率は30%程度とされています。致死的な急性疾患に対して、救命のためのワンチャンスを生み出す装置だと考えています。
多職種からなるチームでPCPS/ECMO治療を行っています。2021年11月までに2人の患者さんに使用し、非常に重篤な状態からの救命に成功しております。今後もこの強力な機器の能力を生かすため、安全で迅速な導入、導入後の管理、高次医療機関との連携について精度を上げていきます。
血液を循環させる遠心ポンプと酸素交換を行う体外式膜型人工肺から構成される人工心肺装置です。5〜7mm程度の太さの管を足の付け根の動脈および静脈から挿入する必要があります。右心房から血液を引き、遠心ポンプで全身を循環させる血流を作り出し、人工肺にて酸素を供給した上で足の動脈に血液を戻します。心臓と肺の肩代わりをしてくれる装置です。強力な心肺補助となりますが、その管理は専門的知識・人手・時間を要し、容易ではありません。出血、血栓塞栓症および感染症を代表とする合併症も非常に多く、夢のような治療ではありません。適応は、重症の心筋梗塞や肺塞栓症に代表される他の一般的な治療法で維持困難な急性循環不全や心肺停止状態ですが、救命率は30%程度とされています。致死的な急性疾患に対して、救命のためのワンチャンスを生み出す装置だと考えています。
多職種からなるチームでPCPS/ECMO治療を行っています。2021年11月までに2人の患者さんに使用し、非常に重篤な状態からの救命に成功しております。今後もこの強力な機器の能力を生かすため、安全で迅速な導入、導入後の管理、高次医療機関との連携について精度を上げていきます。
集中ケア認定看護師として今後の課題
集中治療棟 八倉巻考司
今年度、集中ケア認定看護師教育課程を修了し、令和3年12月に集中ケア認定看護師になることができました。まずは、このコロナ禍で世の中が大変な時に、7か月間、学業に専念させていただいたことに本当に感謝しています。実習先の病院は東京の3次救急病院で、重症コロナ患者の受け入れを行っており、大変な状況でした。当院だけではなく、実習先の病院の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。
ICUに配属になる前は整形外科、血管外科、呼吸器外科で3年程度働きました。ジェネラリスト看護師を目指すことが目標だったので、集中治療棟に異動願を提出し、平成24年にICUへ配属になりました。今でも覚えているのが配属当時、先輩看護師から「呼吸ってどういうことなのか」「熱が出るってどういう状態なのか」と聞かれ、上手く答えられませんでした。当時は患者のパラメータ、データなど深く考えずに患者をみていたのだと痛感させられ、呼吸や循環、体温など解剖生理から勉強しなおしたことが今でも忘れられません。
集中治療棟では人工呼吸器管理は避けて通れません。又、人工呼吸器から離脱できない患者もみてきた中で、自分のケアでもっと何かできたのではないかと悔しい思いをしたことがたくさんありました。その思いから、自分の知識を高めるために3学会合同呼吸療法認定士を取得しました。さらに専門的な看護を深めたいという思いが強くなり、集中ケア認定看護師になることを決めました。
集中ケア認定看護師は、クリティカル領域における患者の看護に特化しています。侵襲期にある超急性期の患者や家族に対し、看護を実践します。集中ケア認定看護師としての責任は重いと感じています。しかし、看護・医療は一人では行えるものではなく、集中棟スタッフ、医師、コメディカルと共にチームとして看護実践を行っていきます。その中で、集中ケア認定看護師として、力になれれば良いと考えています。生命の危機状態にある患者に対し、的確なアセスメントに基づいて、重篤化の予防を図り、廃用症候群、PICS(集中治療後症候群)の予防のために早期リハビリテーション、早期栄養など、集中棟スタッフ育成に関り取り組んでいければ良いと考えています。集中ケア認定看護師として、安心、安全で確実な医療とケアが実践できる、スタッフの手本となるような実践を行っていきます。又、指導や相談などを行いスタッフの育成を行い、集中治療棟を盛り上げていければ良いと思っています。
今年度より当院ではECMO(体外式膜型人工肺)を導入しました。人工呼吸器や昇圧薬などで救命困難な重症呼吸不全や重症循環不全の方でも救命の可能性が高くなります。2例の稼働がありましたが、2例とも救命でき、ECMOの有用性を実感しました。
また、呼吸ケアサポートチーム(RST)も立ち上げました。医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、感染管理看護師からなる多職種チームで、呼吸ケアの安全管理を目指していきます。現在はICUの人工呼吸器管理患者の方々を対象にしていますが、いずれは院内の呼吸不全患者に対し呼吸ケアサポートを行っていくことが目標です。
集中ケア認定看護師として、自分にどれだけのことができるのかという不安は大きいです。集中治療棟のスタッフが一丸となり、チーム力を発揮できるように自分は潤滑油のような役割ができれば良いと考えています。そのためにも日々自己研鑽を行い、スタッフ、患者さんへ還元できれば良いと考えています。当院の集中治療棟をこれからもどうぞよろしくお願いします。
ICUに配属になる前は整形外科、血管外科、呼吸器外科で3年程度働きました。ジェネラリスト看護師を目指すことが目標だったので、集中治療棟に異動願を提出し、平成24年にICUへ配属になりました。今でも覚えているのが配属当時、先輩看護師から「呼吸ってどういうことなのか」「熱が出るってどういう状態なのか」と聞かれ、上手く答えられませんでした。当時は患者のパラメータ、データなど深く考えずに患者をみていたのだと痛感させられ、呼吸や循環、体温など解剖生理から勉強しなおしたことが今でも忘れられません。
集中治療棟では人工呼吸器管理は避けて通れません。又、人工呼吸器から離脱できない患者もみてきた中で、自分のケアでもっと何かできたのではないかと悔しい思いをしたことがたくさんありました。その思いから、自分の知識を高めるために3学会合同呼吸療法認定士を取得しました。さらに専門的な看護を深めたいという思いが強くなり、集中ケア認定看護師になることを決めました。
集中ケア認定看護師は、クリティカル領域における患者の看護に特化しています。侵襲期にある超急性期の患者や家族に対し、看護を実践します。集中ケア認定看護師としての責任は重いと感じています。しかし、看護・医療は一人では行えるものではなく、集中棟スタッフ、医師、コメディカルと共にチームとして看護実践を行っていきます。その中で、集中ケア認定看護師として、力になれれば良いと考えています。生命の危機状態にある患者に対し、的確なアセスメントに基づいて、重篤化の予防を図り、廃用症候群、PICS(集中治療後症候群)の予防のために早期リハビリテーション、早期栄養など、集中棟スタッフ育成に関り取り組んでいければ良いと考えています。集中ケア認定看護師として、安心、安全で確実な医療とケアが実践できる、スタッフの手本となるような実践を行っていきます。又、指導や相談などを行いスタッフの育成を行い、集中治療棟を盛り上げていければ良いと思っています。
今年度より当院ではECMO(体外式膜型人工肺)を導入しました。人工呼吸器や昇圧薬などで救命困難な重症呼吸不全や重症循環不全の方でも救命の可能性が高くなります。2例の稼働がありましたが、2例とも救命でき、ECMOの有用性を実感しました。
また、呼吸ケアサポートチーム(RST)も立ち上げました。医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、感染管理看護師からなる多職種チームで、呼吸ケアの安全管理を目指していきます。現在はICUの人工呼吸器管理患者の方々を対象にしていますが、いずれは院内の呼吸不全患者に対し呼吸ケアサポートを行っていくことが目標です。
集中ケア認定看護師として、自分にどれだけのことができるのかという不安は大きいです。集中治療棟のスタッフが一丸となり、チーム力を発揮できるように自分は潤滑油のような役割ができれば良いと考えています。そのためにも日々自己研鑽を行い、スタッフ、患者さんへ還元できれば良いと考えています。当院の集中治療棟をこれからもどうぞよろしくお願いします。
黒部市民病院世界糖尿病デーイベント2021
糖尿病診療委員会
世界糖尿病デー企画担当
薬剤科 福井 綾乃
11月14日は「世界糖尿病デー」です。なぜ11月14日なのかというと、糖尿病治療に欠かせないインスリンを発見したカナダのバンティング博士に敬意を表し、彼の誕生日を世界糖尿病デーとしたそうです。特に2021年は、インスリン発見100周年にあたる特別な年でした。
世界糖尿病デーとは、糖尿病の予防、治療、療養を喚起するために制定された日です。シンボルマークである“ブルーサークル”にちなんで、世界各地で著明な建造物が青色にライトアップされたり、青色のイルミネーションが行われたりします。黒部市民病院でも毎年様々なイベントを行っており、中でも特徴的なのが、下新川郡の地域医療連携を象徴するように“つながる新川”と題して、下新川郡の医療機関や厚生・保健センターと合同企画を行っていることです。下新川郡オリジナルブルーサークルマークを用いて、今回はオリジナルマスクとポスターを作成し、賛同施設でこれらを着用・掲示するという合同イベントを行いました。糖尿病診療における地域医療連携は、まさに世界糖尿病デーのキャッチフレーズである“Unite for Diabetes(糖尿病との闘いのため団結せよ)”だと思っています。
世界糖尿病デーとは、糖尿病の予防、治療、療養を喚起するために制定された日です。シンボルマークである“ブルーサークル”にちなんで、世界各地で著明な建造物が青色にライトアップされたり、青色のイルミネーションが行われたりします。黒部市民病院でも毎年様々なイベントを行っており、中でも特徴的なのが、下新川郡の地域医療連携を象徴するように“つながる新川”と題して、下新川郡の医療機関や厚生・保健センターと合同企画を行っていることです。下新川郡オリジナルブルーサークルマークを用いて、今回はオリジナルマスクとポスターを作成し、賛同施設でこれらを着用・掲示するという合同イベントを行いました。糖尿病診療における地域医療連携は、まさに世界糖尿病デーのキャッチフレーズである“Unite for Diabetes(糖尿病との闘いのため団結せよ)”だと思っています。
その他、院内では、病院壁面にブルーライトアップをしたり、院内各所に青い提灯飾りやイルミネーションをしたり、病院食にオリジナルの低カロリーブルーデザートを提供するなど、病院全体が世界糖尿病デームードとなりました。またここ数年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で集客型のイベントを行えない代わりに、ブログや市報に関連記事を掲載していただき啓発活動を行っています。
これらのイベントが、一人でも多くの方の目に触れ、
という気持ちになっていただけたら嬉しいなと思い、企画を行っています。
イベントの準備や実施は決して楽なものではありませんが、世界糖尿病デーのイベントが、一人でも多くの方が糖尿病について考えるきっかけになることを願って、今後もこのイベントを継続していきたいと思っています。
これらのイベントが、一人でも多くの方の目に触れ、
- 現在糖尿病の治療を行っている方は、「これからも頑張ろう」
- 健康診断で高血糖を指摘されているけれどまだ受診していないという方は、「通院を始めよう」
- 自分は糖尿病ではないけれど周りに糖尿病の人がいるという方は、「糖尿病について正しく知って接しよう」
という気持ちになっていただけたら嬉しいなと思い、企画を行っています。
イベントの準備や実施は決して楽なものではありませんが、世界糖尿病デーのイベントが、一人でも多くの方が糖尿病について考えるきっかけになることを願って、今後もこのイベントを継続していきたいと思っています。
その他、院内では、病院壁面にブルーライトアップをしたり、院内各所に青い提灯飾りやイルミネーションをしたり、病院食にオリジナルの低カロリーブルーデザートを提供するなど、病院全体が世界糖尿病デームードとなりました。またここ数年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で集客型のイベントを行えない代わりに、ブログや市報に関連記事を掲載していただき啓発活動を行っています。
これらのイベントが、一人でも多くの方の目に触れ、
という気持ちになっていただけたら嬉しいなと思い、企画を行っています。
イベントの準備や実施は決して楽なものではありませんが、世界糖尿病デーのイベントが、一人でも多くの方が糖尿病について考えるきっかけになることを願って、今後もこのイベントを継続していきたいと思っています。
これらのイベントが、一人でも多くの方の目に触れ、
- 現在糖尿病の治療を行っている方は、「これからも頑張ろう」
- 健康診断で高血糖を指摘されているけれどまだ受診していないという方は、「通院を始めよう」
- 自分は糖尿病ではないけれど周りに糖尿病の人がいるという方は、「糖尿病について正しく知って接しよう」
という気持ちになっていただけたら嬉しいなと思い、企画を行っています。
イベントの準備や実施は決して楽なものではありませんが、世界糖尿病デーのイベントが、一人でも多くの方が糖尿病について考えるきっかけになることを願って、今後もこのイベントを継続していきたいと思っています。
【お知らせ】整形外科 外来診療担当医表
令和3年度12月から整形外科の外来診療担当医に専門分野を付記させていただいています。
紹介日を限定するものではありませんが、参考にしていただければと思います。
紹介日を限定するものではありませんが、参考にしていただければと思います。
【お知らせ】院内レストラン「ビアンモール(bien mall)がリニューアルオープンしました!
場所 | 1階北棟売店横 |
---|---|
営業時間 | 平日11時00分〜15時00分 (ラストオーダー14時30分) |
休み | 土日祝 |
日替りランチ(主菜・小鉢・香の物・ご飯・味噌汁)や週替りランチ(麺料理または丼料理)などご用意しております。ぜひお立ち寄りください!
講演・勉強会のご案内
1. 新川胸部疾患検討会
日時 | 毎月第2木曜日
|
---|---|
場所 | 中央棟3階 会議室6 |
2. 内科カンファレンス
日時 | 毎週火曜日 18時15分~ |
---|---|
場所 | 中央棟3階 会議室6 |