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地域を結ぶ病院だより

vol.60(2020年12月)


フレンディーだよりvol.60(2020年12月発行)
  • 病院紹介
  • 末梢留置型中心静脈カテーテル(PICC)について
  • 末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)
  • 管理栄養士として米国研修から学んだこと
  • トピックス
  • 【お知らせ】新任医師紹介
  • 講演・勉強会のご案内

病院紹介

すみれ内科クリニック 院長 金山 雅美

令和元年8月26日、入善町に内科一般・消化器内科を専門とした「すみれ内科クリニック」を開院致しました。入善町の街中、入善駅から徒歩4分の場所にあります。近隣の方が多く受診されますが、当院には駐車場もあり、黒部市、朝日町の方も受診されます。

当院は、血液検査・尿検査、心電図、レントゲン、腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラなどの設備があります。当院の特徴としては、腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラの検査を女性が多く受けておられるということです。

胃カメラは、口から鼻からどちらも可能で、その都度、患者様と相談して決めています。

大腸カメラは、ご自宅か当院で午前中に下剤を飲んでいただき、検査は昼に行っています。検査の上、大きなポリープがある場合は、治療のために黒部市民病院などの病院に紹介させていただいていますが、大きくないポリープは当院で内視鏡的切除を行うこともあります。腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラをご希望の方は、気軽にご相談ください。

健診各種(雇用時健診、企業健診、個人健診など)も行っています。年齢とともに、加齢の変化は誰しも出てきます。毎年検査をすることで、早く病気を見つけることも可能になります。気軽に電話でご相談ください。

また、慢性疾患をお持ちのご高齢の方にも、受診しやすいクリニックでありたいと思っています。院内は車椅子の方に不都合がないようなつくりになっており、ご高齢の方が相談しやすい雰囲気を心がけています。

今後は、新川地区のクリニックおよび病院と連携をとり、スタッフ一同、地域医療に貢献できるように働いていきます。よろしくお願い致します。

診療案内

所在地

〒939-0626
富山県下新川郡入善町入膳5494-1
TEL:(0765)32-5020 FAX:(0765)32-5199
HP:https://sumirenaika.com

末梢留置型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)について

麻酔科医長 片岡 久嗣

当院麻酔科の業務は手術時の麻酔管理、ペインクリニックの他に中心静脈カテーテル(central venous catheter:CVC)留置があります。数年前よりCVC依頼件数が増えてきていますが、その中でも今回末梢留置型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)について紹介します。

PICCは上肢の末梢静脈より挿入を行う中心静脈カテーテルです。これまではCVCのみ行ってきましたが、解剖学的部位から穿刺を行うランドマーク法では気胸、動脈穿刺といった重篤な合併症の発生が比較的高く、最近ではエコーによる穿刺前の観察、エコーガイド下穿刺がほぼ必ず行われるようになってきました。エコーの使用によって血管の状態を把握することが可能にはなりましたが、CVC留置を依頼される症例の多くは低栄養状態や脱水を認めることが多く、合併症を起こさなくても複数回穿刺を試みることがあり留置に苦労する場合が少なくありません。
PICC自体は昔からあるものでしたが、エコーを使用しない場合、前腕にある表在静脈からの穿刺となることが多く、カテーテルの挿入に難渋することや、肘の屈曲によって滴下不良となるなど、普及しませんでした。エコーの使用が当たり前となることによって上腕深層にある静脈からカテーテルが挿入可能となり、管理が容易となった結果、現在当科ではCVCの半分以上がPICCに変わっています。PICCの利点としては穿刺時の重篤な合併症が少なく、私たちのストレス軽減となっていることが挙げられますが、それ以上に感染が少なく、長期留置(1〜3か月程度)により適していると言われています。私たちとしてはCVC挿入依頼があった際は使用目的、使用期間を考慮しシングルルーメンで長期使用が予想される場合はPICCを、マルチルーメンや急速輸液の必要性がある場合はCVCを選択するようにしています。管理方法としてはCVC管理と同じようにカテーテル感染対策が必要となるほかに、PICC特有の問題としてカテーテルが細い上に40㎝超と長く、皮膚から出た分をループ状に固定しているためカテーテル内閉塞のリスクがあることと、穿刺血管がカテーテルに対して相対的に細いことによる血栓症、静脈炎の可能性があります。

CVC、PICCいずれにしても合併症が発生することによって、治療の妨げとなり、予後にも影響を与えることから、安全で確実に確保できるように今後とも努めていきたいと考えております。

末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)

心臓血管外科医長 酒井 麻里

末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)は末梢動脈(手や足の動脈)が狭くなったり、詰まったりすることで血液の流れが悪くなってしまい、様々な症状を引き起こす病気です。加齢に伴いこの病気は増加し、65歳以上の3〜6%前後に発症しています。原因は様々ですが、多くは動脈硬化によるものであるため、喫煙者や2型糖尿病患者さんの場合、PADを発症する可能性が3〜4倍高くなると言われています。PAD患者さんは、同じく動脈硬化が原因である狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併することも多く、注意が必要です。初期症状としては、しばらく歩いた後にふくらはぎが痛くなり、少し休むと痛みが良くなる:間歇性跛行(かんけつせいはこう)が典型的です。症状が進行すると、安静時にも痛みが出現し、足趾の傷がなかなか治らなくなり壊死に陥ることもあります。

治療法としては、抗血小板薬や末梢血管拡張薬などを内服する薬物療法とウォーキングや軽いジョギングなどを行う運動療法が最も基本的です。抗血小板薬の中には間歇性跛行の跛行距離の改善が期待できる薬もあります。また、抗血小板薬内服は、脳心血管疾患を予防する目的もあります。運動療法は週3回程度、歩行による痛みが出てからすぐに歩行を止めるのではなく、中等度の痛みになるまで歩行を継続します。少なくとも3か月以上続けることも重要です。運動療法により、血流が乏しい筋肉への血流を増加させるための側副血行路(そくふくけっこうろ)の発達を促し、足の血流の増加を期待します。また、動脈硬化を進行させる原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病の管理をしっかり行い、喫煙している場合は禁煙することも重要です。

薬物療法と運動療法を行っても症状が改善しない場合には、血行再建術を行います。血行再建術にはカテーテル治療とバイパス手術の方法があります。カテーテル治療は血管の中にカテーテル(細い管)を挿入し、血管の狭くなっている部分や詰まっている部分をバルーンで拡張したり、血管の中にステントという金属の筒を入れて血管を補強したりする方法です。局所麻酔で行うことができ、身体への負担も少ない治療です。バイパス手術は人工血管や自分の静脈を用いて、新たにバイパス(別の血液の通り道)を作成し、血流を改善させる方法です。カテーテル治療と比較し、身体への負担はやや大きいですが、病変の部位や長さによってはカテーテル治療よりも適している場合があります。また、カテーテル治療と外科的治療を併用したハイブリッド治療を行うこともあります。

管理栄養士として米国研修から学んだこと

管理栄養士 永田 景子
令和元年10月、当院と国際交流のあるジョージア州メーコン市のNavicent Healthでの病院研修に参加する機会を得ました。

病院管理栄養士の仕事は、「栄養管理」と「給食管理」の2つに大別されます。「栄養管理」については、治療の一環として栄養面から支援するという点では日本も米国も目指すところは同じです。ただ日本では原則「医師の指示に基づき」「共同して」業務を行っていますが、米国では医師から栄養に関するコンサルトがあった場合、チームの一員として多職種と連携しながら、栄養に関する全般の決定を管理栄養士が行います。栄養指導でも、一度医師から依頼を受けたら、これで終了と医師に報告するまで継続指導を行うところも日本と異なるところで、コメディカル各々の専門性に任されていることを実感しました。「給食管理」については、当院では、春夏秋冬、季節ごと28日を1クールとしてサイクル化した献立を作成していますが、Navicent Healthでは、7日分の献立を年中繰り返していることに驚きました。平均在院日数が3~5日で、患者は食事摂取開始後すぐ退院するため7日分でもよいという訳です。この斬新さから、当院でも在院日数に合わせて献立作成業務の見直しも必要だと感じられました。

米国で得た体験や視野を、今後の管理栄養士の職務に活かしていきたいと思います。最後に、“百聞は一見にしかず”、この貴重な経験をくださったすべての方々に深く感謝いたします。

トピックス

令和元年度第1回大腿骨頸部骨折地域連携パス症例検討会

去る9月25日(水)18時30分より、黒部市民病院にて新川地域における大腿骨頸部骨折地域連携パス症例検討会が開催されました。今回は、元々歩行器歩行で介護サービスを利用しながら在宅で生活されていた患者さんが、受傷後当院での治療を経て池田リハビリテーション病院へ転院し、退院後は有料老人ホームへ入所となった症例でした。自宅退院を視野に入れて検討されましたが、精神疾患(うつ病でかかりつけ医より投薬治療中)がありリハビリが進まず、目標を車椅子介助に変更して精神面の安定を考慮しながら機能回復訓練に取り組まれました。当院の医師より今回の症例の場合、精神科医師に指示を仰いだ上で転院先に繋ぐ必要があったのではないかという意見が上がり、精神状態に応じて今後を見極めることが大切であることを学びました。

検討会では、転帰先や急性期と回復期を含めた総入院日数など、新川医療圏における地域連携パスの運用実績の報告がありました。総入院日数を平成26年度と29年度で比較すると、大腿骨頸部骨折は112.0日から90.4日に、脳卒中は156.0日から74.5日に日数の短縮が認められました。その要因として、病院、施設、かかりつけ医、ケアマネジャー間の連携が十分に図られ、地域連携パスが有効に機能していることが考えられました。

開催当日、院内外合わせて40名の医療・福祉関係者が参加し討議されました。今後更に多くの方々にご参加いただけるよう、内容の充実を図っていきたいと考えています。

黒部市民病院 世界糖尿病デーイベント2019

世界糖尿病デーは世界保健機関(WHO)が定めた国際デーです。インスリンの発見者バンディング博士の誕生日である11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、糖尿病の予防や治療継続の重要性について市民に周知する重要な機会となっています。

日本では、世界糖尿病デーを含む1週間(月~日曜日)を「全国糖尿病週間」として啓発活動が行われています。当院では、糖尿病診療委員会の委員により、糖尿病ポスター展示、バルーンゲート設置、正面玄関前モニュメントのブルーイルミネーションの実施、入院患者さんに対する低カロリーブルーゼリーの配布が行われました。今年度の新しい取り組みとして、11月14日に、病棟の中庭側壁面をスクリーンとして糖尿病関連情報のスライド映写が行われました。更に「心のかけはしコンサート」を開催、研修医2名によるピアノ演奏がありました。これらの啓発活動は、黒部市民病院と下新
川郡の医療機関(新川厚生センター、黒部市健康増進課および下新川郡医師会)との連携で行われています。期間中各施設のスタッフには、「黒部・入善・朝日」の連携を盛り込んだ下新川群オリジナルデザインの自作バッジを着用していただきました。今後も、地域の関連機関と連携しながら糖尿病の啓発運動に取り組んでいきたいと思います。

全国イベントの一環として、世界糖尿病デーポスターコンクールが開催さ れ、2019年度最優秀賞作品に、黒部市民病院 薬剤科、四谷綾乃さんの作品が選ばれました。令和の時代に「糖尿病の正しい知識の理解!」を呼びかける斬新な作品に感じられました。

正面玄関ホール設置の
バルーンゲート

四谷綾乃さんの作品

【お知らせ】新任医師紹介

耳鼻いんこう科 北川 雄基
専門:耳鼻科一般

医師の異動

診療科 転出 転入
(2月1日付) 耳鼻いんこう科 北川 雄基

講演・勉強会のご案内

1. 新川胸部疾患検討会

日時 毎月第2木曜日
  • 18時30分~
  • 20時00分~
場所 中央棟3階 会議室6

2. 内科カンファレンス

日時 毎週火曜日
18時15分~
場所 中央棟3階 会議室6
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