vol.77(2025年1月)

フレンディーだよりvol.77(2025年1月発行)
- 口腔ケアについて
- 歯科衛生士の役割と口腔ケアの方法について
- 誤嚥性肺炎予防を目的とした途切れのない栄養管理のために
口腔ケアについて

歯科口腔外科部長
高桜 武史
口腔内には多種多様の細菌が存在しています。病気や加齢などにより嚥下機能や咳をする力が弱くなると、口腔内細菌が食物や痰に混ざって気管に入りやすくなります。それにより誤嚥性肺炎のリスクが高まります。寝ている間に発症することも多く、高齢者では命にかかわるケースも少なくない疾患です。近年、口腔ケアにより歯や粘膜の清掃をしっかり行い、同時に摂食嚥下機能を高めることで、誤嚥性肺炎を予防できることが分かってきました。歯磨きやうがいなどにより口腔内を清潔にして細菌を減らします。そして、食べたり飲み込んだりする摂食嚥下機能をリハビリにより回復させることが大切です。超高齢者社会になりつつある我が国にとって、今後も認知症の進行やADL の低下により自分で歯磨きやうがいができない患者さんが増え続けると思われ、重要な課題となっています。当院では2013 年から口腔機能の維持・管理を目的に口腔ケア委員会を立ち上げて活動を行っています。入院時に患者さんの口腔状態をアセスメントし、口腔ケアが必要と判断された際には口腔ケアチームが介入します。担当看護師が日々の口腔ケアを行い、週に1回当院の歯科衛生士が専門的口腔ケアを行うことにより、誤嚥性肺炎の予防、摂食嚥下機能の向上、大脳機能の活性化、在院日数の短縮に繋がっています。さらに毎月、口腔ケア委員会を開催しており、各病棟の介入状況を把握、介入患者の事例報告、歯科医師による病棟回診、院内での勉強会や実習を行っています。そして患者さんが他施設への転院または自宅退院となった際には、等しく口腔ケアが行えるように情報提供書に内容記載、および家族へ指導を行っています。
人生最後まで美味しく食事ができるように口腔機能の維持・管理することは非常に大切です。
人生最後まで美味しく食事ができるように口腔機能の維持・管理することは非常に大切です。
歯科衛生士の役割と口腔ケアの方法について

歯科衛生士
朝野 直美
口腔には、食べる・話す・感情表現を表す・呼吸するといった機能があり、健康の保持増進だけではなく「その人らしさ」を引き出し、QOL を高める大切な役割があります。健康な時は口腔機能をセルフケアにより維持していますが、抵抗力や体力が落ちている患者はセルフケアが不十分となり、口腔機能が低下しやすくなります。口腔機能が低下すると口内炎や乾燥などの口腔内トラブルだけではなく、誤嚥性肺炎を引き起こしたり、歯周病菌が糖尿病や心疾患などの全身疾患の誘因となることが分かってきています。そのため口腔ケアは大切となります。
当院には歯科衛生士が2 名います。歯科衛生士の役割は、看護師と連携して病棟で自立度が低く、口腔内の「汚染・出血・乾燥」がある患者に専門的口腔ケアを行うことです。入院して絶食になると口腔内の汚染はひどくなります。口腔内の状態によっては、口腔ケアにかかる時間や方法が違います。口腔ケアの基本的な方法は、初めに声かけをして、全身状態や口腔内の観察、口唇や口腔内が乾燥している場合は保湿剤で加湿をしてから清掃します。残った汚れや保湿剤をしっかり回収して最後に保湿剤を塗って保湿します。口腔ケアを行う体勢も大切です。なるべく誤嚥させないようにすること、苦痛なくできる姿勢で口腔ケアを行います。患者によっては、開口協力が得られない、開口困難な場合もあり口腔ケアの難しさを日々実感しながらケアをしています。それでも、患者からケア後に「気持ちよかった、毎日してほしい」と言われた時は歯科衛生士をしていてよかったと思います。
また、自宅退院や転院後も口腔ケアの維持・管理ができるように患者や介護者、転院先に口腔ケア指導を行っています。在宅や他施設でも歯科衛生士が必要とされ、活躍する場が増えれば口腔ケアの維持・管理ができ、継続した専門的ケアができると思います。
これからも看護師と協力しながら患者の口腔が口福( 幸福) になるように口腔ケアを行っていきます。
当院には歯科衛生士が2 名います。歯科衛生士の役割は、看護師と連携して病棟で自立度が低く、口腔内の「汚染・出血・乾燥」がある患者に専門的口腔ケアを行うことです。入院して絶食になると口腔内の汚染はひどくなります。口腔内の状態によっては、口腔ケアにかかる時間や方法が違います。口腔ケアの基本的な方法は、初めに声かけをして、全身状態や口腔内の観察、口唇や口腔内が乾燥している場合は保湿剤で加湿をしてから清掃します。残った汚れや保湿剤をしっかり回収して最後に保湿剤を塗って保湿します。口腔ケアを行う体勢も大切です。なるべく誤嚥させないようにすること、苦痛なくできる姿勢で口腔ケアを行います。患者によっては、開口協力が得られない、開口困難な場合もあり口腔ケアの難しさを日々実感しながらケアをしています。それでも、患者からケア後に「気持ちよかった、毎日してほしい」と言われた時は歯科衛生士をしていてよかったと思います。
また、自宅退院や転院後も口腔ケアの維持・管理ができるように患者や介護者、転院先に口腔ケア指導を行っています。在宅や他施設でも歯科衛生士が必要とされ、活躍する場が増えれば口腔ケアの維持・管理ができ、継続した専門的ケアができると思います。
これからも看護師と協力しながら患者の口腔が口福( 幸福) になるように口腔ケアを行っていきます。

誤嚥性肺炎予防を目的とした途切れのない栄養管理のために

主任管理栄養士
斎藤 香織
当院に入院される誤嚥性肺炎の患者さんの中には入退院を繰り返す方もおられ、入院中の適切な食事提供はもちろんのこと、退院後もその食事が継続されていくこと、食上げ途中の方では入院中の情報を正しく引き継ぎ、退院先での食上げへ繋げていくことが重要だと考えています。
当院では摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食学会分類2013」に基づき嚥下調整食の提供を行ってきましたが、「嚥下調整食学会分類2021」への変更をうけ、新しい学会分類に則し誤嚥性肺炎予防へ繋がる食事提供を目的に嚥下調整食の見直しを行いました。嚥下調整食とは、嚥下機能の程度に配慮して調整した食事のことを言います。具体的な取り組みとしては、近隣施設との足並みをそろえた上で、より安全で適切な形態での食事提供が行えるよう、嚥下ケアチームやNST など多職種で連携し嚥下調整食の目的の明確化、食上げ段階の再考、内容の検討等を行いました。栄養科ではそれと並行して調理方法の改善やマニュアルの整備、調理技術の向上に努めてきました。現在も、見た目が悪くなってしまう中でも「美味しい」と思っていただけるような食事提供を目指して、日々検食・改善を重ねています。
また新川圏域では、2015 年に各施設の食形態を見える化した「施設の食形態一覧」が作成され、「栄養情報提供書( 連絡表)」とともに病院・施設間をつなぐ連携ツールとして活用されています。患者は入院後、転院や施設への入所、在宅へという経過をたどることが多く、各施設での食形態が異なっていることで、転院や施設入所の際に入院中に摂取されていた食形態とにズレが生じることがあります。食形態の連携が適切に行われないことで誤嚥性肺炎のリスクが高まり、入退院を繰り返す原因となりうることがあるため、「施設の食形態一覧」「栄養情報提供書( 連絡表)」は病院・施設間での途切れのない栄養管理を行う上で重要な役割を果たしています。
病院食は安心、安全な食形態での提供を前提に、栄養状態の維持・改善や、疾病の治癒を助けるという役割が大きいものです。その中でも少しでも入院生活の中での楽しみとなり、ホッとできる、そんな食事提供ができるよう今後も管理栄養士として業務を行っていきたいです。
当院では摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食学会分類2013」に基づき嚥下調整食の提供を行ってきましたが、「嚥下調整食学会分類2021」への変更をうけ、新しい学会分類に則し誤嚥性肺炎予防へ繋がる食事提供を目的に嚥下調整食の見直しを行いました。嚥下調整食とは、嚥下機能の程度に配慮して調整した食事のことを言います。具体的な取り組みとしては、近隣施設との足並みをそろえた上で、より安全で適切な形態での食事提供が行えるよう、嚥下ケアチームやNST など多職種で連携し嚥下調整食の目的の明確化、食上げ段階の再考、内容の検討等を行いました。栄養科ではそれと並行して調理方法の改善やマニュアルの整備、調理技術の向上に努めてきました。現在も、見た目が悪くなってしまう中でも「美味しい」と思っていただけるような食事提供を目指して、日々検食・改善を重ねています。
また新川圏域では、2015 年に各施設の食形態を見える化した「施設の食形態一覧」が作成され、「栄養情報提供書( 連絡表)」とともに病院・施設間をつなぐ連携ツールとして活用されています。患者は入院後、転院や施設への入所、在宅へという経過をたどることが多く、各施設での食形態が異なっていることで、転院や施設入所の際に入院中に摂取されていた食形態とにズレが生じることがあります。食形態の連携が適切に行われないことで誤嚥性肺炎のリスクが高まり、入退院を繰り返す原因となりうることがあるため、「施設の食形態一覧」「栄養情報提供書( 連絡表)」は病院・施設間での途切れのない栄養管理を行う上で重要な役割を果たしています。
病院食は安心、安全な食形態での提供を前提に、栄養状態の維持・改善や、疾病の治癒を助けるという役割が大きいものです。その中でも少しでも入院生活の中での楽しみとなり、ホッとできる、そんな食事提供ができるよう今後も管理栄養士として業務を行っていきたいです。

