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地域を結ぶ病院だより

vol.65(2021年11月)


フレンディーだよりvol.65(2021年11月発行)
  • EUS-FNA超音波内視鏡下穿刺術について
  • 地域基幹病院における心理師の役割
  • 特定行為研修
  • トピックス
  • フレンディー新メンバーよりご挨拶です
  • 【お知らせ】新任医師紹介
  • 講演・勉強会のご案内

EUS-FNA(Endoscopic Ultrasoundguided fine needle aspiration)超音波内視鏡下穿刺術について

内科医 矢野 正明

EUS-FNAとは超音波内視鏡(EUS)を用いて病変に対して穿刺を行い、診断・治療などを行う手技です。

1992年Vilmannらによる膵癌に対する最初のEUS-FNAが報告され、その後欧米で発展がとげられましたが、本邦でも有用性が認識されるようになり2010年に保険収載されました。ただし、EUS-FNAは高額なコンベックス型EUSと超音波観測装置が必要なため、当初は北陸でも数台程度しか存在せず、手技の習得機会も少ない状況でした。近年は徐々に普及が進んできています。

まずはメインの診断ですが、組織採取を行うことで正確な診断並びに適切な治療方針決定が可能となります。

膵腫瘍の診断において膵癌(膵管癌)、膵神経内分泌腫瘍、膵神経内分泌癌、悪性リンパ腫、転移性膵腫瘍、腫瘤形成性膵炎などの正確な鑑別は画像診断のみでは難しいことも多く、より正確な診断には組織採取が重要です。化学療法例はもちろん、切除可能膵癌(Resectable)においても術前化学療法が標準となってきている現在は、より組織採取の必要性が高まってきています。がん遺伝子パネル検査を行う場合にもLiquid Biopsyなどのオプションも出てきたものの、基本的には組織が必要となってきます。
その他消化管に近接する病変であれば、縦隔リンパ節、腹腔内・後腹膜病変など採取可能です。また、経直腸的に骨盤内リンパ節が採取可能な場合もあります。リンパ節転移の病期により治療方針がかわる可能性がある場合や、悪性腫瘍治療後の再発確認、原発不明腫大リンパ節の鑑別診断などにも有用です。また、悪性リンパ腫の診断も以前は針生検では診断困難とされていましたが、フローサイトメトリーや遺伝子解析など各種検査も併用し、治療方針決定につなげることも可能となってきています。

その他消化管粘膜下腫瘍からの組織採取や、副腎腫瘍や部位によっては肝腫瘍からの組織採取も可能です。

治療としてのEUS-FNA(interventional EUS)としては、膵仮性嚢胞ドレナージ、EUS下胆道ドレナージ、EUS-guided rendezvous technique、EUS-guided fiducial marker留置などが有用なものとして挙げられ、その他様々な応用が期待されます。当院では上記処置が全て可能です。

地域基幹病院における心理師の役割

公認心理師 坂井 友美

4月から常勤として黒部市民病院に勤務しています。黒部に来る前は、石川県の単科精神科で勤務していました。地域に根差した個人病院で、入院および外来のカウンセリングや心理検査、精神科デイケアなどに携わっており、患者さんは思春期後半から成人、高齢者の方がほとんどでした。そのため学業もですが、職業やその後の人生を考えていくことが多く、長期的な支援をしていくことも多かったです。

黒部に来て予想以上に驚いたのは、地域の基幹病院となっている総合病院であり、患者さんの病気や年代、問題や状況が非常に幅広いことです。身体疾患がメインの方もいれば、就学前のお子さんもおられ、それに伴い必要となる知識やアプローチが非常に幅広いものになっていきます。石川と富山では制度が違ったり、社会資源や教育事情にもまだ明るくないため、今までの経験や知識を活用しつつも、試行錯誤しながら悩む毎日です。

心のことを考えるときには体のことが欠かせませんし、多かれ少なかれ誰もが人生で必ず悩むところだと思います。お子さんについても、小さい頃からご本人やご家族に関われると、成人してから病状が重くなったり問題が大きくなったりしづらいので、非常に重要だと思います。以前から気になっていたことであり、関われる機会ができたのは嬉しいことでもあります。これまでの知識や経験を活かしつつ、早く勉強してアップデートしながら、新しくお会いする人の役に立っていければと思います。

特定行為研修

栄養および水分管理に係る薬剤投与関連

東病棟7階 佐々木 良子

私は、日々の看護の中で治療(Cure)よりもケア(Care)が優先しているように感じていました。例えば、清拭を行う時、清拭という行為に重点を置き、治療中の補液は何のために投与されているのか、危険は何かなど、治療の理解不足があると感じていました。研修を受講することにより、医学的な視点から患者を捉えたケアの提供ができると考えました。研修では、知識不足を痛感しましたが、臨床推論の思考プロセスを意識することにより、今までよりも患者を観察できるようになったと感じています。

研修の中で感じた「看る」と「診る」という両方の視点から捉えることで、患者と医療スタッフが同じ目標に向かう調整役を目指します。また、研修で身に付けたアセスメント力を活用して、必要時にはタイムリーな栄養および水分管理を実施します。

日々の看護を通して学びを深め、研修で学んだことを活かせるよう日々研鑽してまいりますので、ご指導をお願い致します。

血糖コントロールに係る薬剤投与関連

地域医療保健室 開 弘美

2015年に糖尿病看護認定看護師の認定を受け、病棟や外来通院中の患者・家族の方に、療養指導を行ってきました。2019年より、異動に伴い訪問看護も担当しています。医師のいない在宅の場では、訪問看護師が病態の変化を捉え、対応することが必要です。その中で、血糖コントロールのため、薬剤の調整が必要だと感じることもありました。特定行為研修を受け、身体状態、検査データを意識して、アセスメントすることが重要であると再認識しました。患者さんを観察するときに、医学的な視点を持って、フィジカルアセスメントを意識するようになったと思います。フィジカルアセスメントを意識するとともに、必要な看護ケアを行っていきたいと思います。今後、6か月の臨床トレーニングを院内で実施し、経験を積み重ねていきたいと考えています。

トピックス

第1回脳卒中地域連携パス症例検討会 開催(表紙)

Zoomで開催
2021年7月16日(金曜日)18時30分~19時30分 黒部市民病院 講堂
あさひ総合病院、池田リハビリテーション病院、輝くろべ、新川厚生センター、入善町地域包括支援センター、丸川病院 7施設より参加(五十音順)
院内・院外含め62名参加し、その内43名がリハ職でした。次回は12月に開催予定ですが、患者さんの生活の場に関わる看護師さんにも、是非ご参加いただきたいと思います。

第1回大腿骨頸部骨折地域連携パス症例検討会

Zoomで開催
2021年10月6日(水曜日)18時00分〜19時00分 黒部市民病院 講堂
あさひ総合病院、池田リハビリテーション病院、魚津老健、黒部市地域包括支援センター、富山労災病院、新川厚生センター、丸川病院 8施設より60名参加(五十音順)
脳卒中に続き大腿骨頸部骨折地域連携パス症例検討会を10月6日(水曜日)に開催いたしました。Zoomを活用してwebでの参加も可能とし、開催時間も午後6時からと参加しやすくなるよう工夫しました。

次回は来年度となりますが、皆様のご意見をいただき良い検討会を開催できるよう準備いたします。

地域医療支援センター 意見交換会

2021年10月6日(水曜日) Zoomで意見交換会

黒部・入善・朝日の地域包括支援センター、居宅介護支援事業所17か所、当院地域医療支援センター6名 参加

「コロナ禍における医療と介護について」清水医師より講義を聴き、意見交換を行いました。外来看護師より、ケアマネ外来連絡票の使用例や今後の活用について説明を行いました。

フレンディー新メンバーよりご挨拶です

地域医療支援センター
看護師長 荻野 博美

令和3年度4月から地域医療支援センターに異動となりました荻野です。
4か月がすぎましたが、毎日が学習で汗をかいて仕事をしています。

地域医療支援センターの役割として、地域医療連携室、在宅介護支援センター、地域医療保健室が協力し患者さんや御家族の思いに寄り添った支援を提供していきたいとメンバー一同日々努力しています。

他の医療機関との連携においては、コロナ禍ではありますが、顔の見える関係を築きながら機能・役割をお互いに尊重して連携できることを目指していきたいと考えています。

これからの地域連携は、医療機関・行政・地域の関係性の構築と共に三者の連携の仕組みの構築が必要と思われます。少しでも、地域の皆様のお力になりたいと考えています。
皆様のご指導宜しくお願いします。

【お知らせ】新任医師紹介

呼吸器外科 明元 佑司
9月1日付

研修医 趙 春燕
7月8日付

講演・勉強会のご案内

1. 新川胸部疾患検討会

日時 毎月第2木曜日
  • 18時30分~
  • 20時00分~
場所 中央棟3階 会議室6

2. 内科カンファレンス

日時 毎週火曜日
18時15分~
場所 中央棟3階 会議室6
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