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当院について

嚥下障害管理チーム


嚥下(えんげ)とは?

私たちは通常、口から食事をとって生きるエネルギーを得ています。「もぐもぐ」と食べ物を噛んで唾液と混ぜ「ごっくん」と飲み込むことによって食事を食べていますが、この「ごっくん」にあたる一連の動作を嚥下(えんげ)とよびます。
口の中で「もぐもぐ」してちょうどよい細かさと柔らかさになった食べ物を「ごっくん」するには、飲みこむためにちょうどよい量の食塊(しょっかい)を舌の奥の方に移動させ、舌の付け根の部分で圧をかけてノド(咽頭(いんとう))に送り込み、さらに食道に移動させることになります。そしてこのとき、普段は閉じている食道の入り口(下咽頭(かいんとう))が開くのはほんの一瞬(約0.5秒)であり、下咽頭(かいんとう)の前方にある喉頭(こうとう)や気管に食塊が入ってしまわないように、喉頭(こうとう)に蓋をして、息を止め、前方の喉頭(こうとう)を乗り越えて、後方にある食道へタイミングよく「ごっくん」する必要があります。

何となくできているこの「ごっくん」(正常な人の場合約1秒間)の運動には、実はたくさんの神経、筋肉、感覚、臓器が上手に連携プレーをしているのです。

嚥下障害(えんげしょうがい)とは?

嚥下障害(えんげしょうがい)とはこの飲み込む一連の運動がうまくいかなくなることであり、その結果「むせる」「食事に時間がかかる」「体重が減る」「体力・免疫力が落ちる」といった状態がおこります。嚥下障害は色々な病気でも起こりますが、加齢そのものでもおこるのです。
うまく飲み込むことができずに食べ物が息をする道(気道)に入ってしまう(=誤嚥(ごえん)する)と食事中や食後に咳や痰が増えたり、時には肺炎を起こしたりしてしまう場合もあります。嚥下障害(えんげしょうがい)が強い場合には、食事をしなくても唾液を上手く飲み込めずに肺炎を起こすこともあります。

嚥下ケアチーム

黒部市民病院では、主に入院患者さんを対象として、嚥下障害の専門的な評価と訓練をおこなっています。
もちろん、すべての入院患者について、それぞれの方の栄養状態や症状を考慮し、栄養の摂り方そのものや食事・食材の内容を検討して対応していますが(詳しくはNSTのページをご覧ください)、嚥下ケアチームは、特につよい嚥下障害が疑われる方に対して、実際の嚥下能力を検査したうえで、その方一人一人にあったサポートを目指しています。

チーム医療

嚥下機能の改善のためには、その方それぞれにあわせた食事の硬さや調理法の工夫や、口腔ケア、食べる姿勢や環境の修正、飲み込みの力を鍛えること、そして飲み込みだけではなく全身の体力の回復など、いろいろな知識と訓練が必要であり、患者自身そしてご家族を含めてたくさんの医療スタッフの協力体制(チーム医療)が必要です。
このため嚥下ケアチームは医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、歯科衛生士、栄養士、放射線科技師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師など多職種の医療スタッフで構成されています。

一人一人にあわせた栄養のゴール

今までのところ、嚥下のリハビリテーションをおこなった過半数の方が「口から食べる」力を取り戻しておられます。しかし、全員ではありません。
訓練中にも、その患者の嚥下訓練の効果や全身状態を再評価し、様々な視点からその方に合った訓練法を検討しながら、患者・ご家族・主治医とともに、その方に適した、安全で安定した栄養摂取法を検討しています。
このため、主な栄養は胃瘻などから安定して摂っていただきながら、食べたい時に・食べられるものを・食べられるだけ口から摂っていただくことが、その方の栄養のゴールとなる場合もあります。

食事とは

食事は栄養摂取のためだけではなく、生きる喜びや楽しみのひとつでもあり、コミュニケーションの場でもあります。
ひとりでも多くの方に、より長く食べる楽しみを続けていただきたいと願っています。

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