第24号(2023年4月)
かけはし通信×フレンディーだより(2023年4月発行)
- 院長に就任して
- 2023年度 医師紹介
- 医師の異動
- 講演・勉強会のご案内
- 特集 緩和ケアチームの取り組み
- 外来診療担当医師表
- 黒部市民病院Topics
院長に就任して
院長 辻󠄀 宏和
このたび、竹田前院長の後を引き継ぎ4月より院長に就任しました辻宏和です。朝日町で開業されていた草野産婦人科病院で出生し、学校統合で今はなくなりましたが黒部市立三日市小学校、桜井中学校を卒業し、大学進学後しばらくの間、黒部を離れていましたが、7年前に黒部市民病院へ赴任しました。この生まれ育った黒部市民病院において院長という大役を仰せつかることとなり、身の引き締まる思いです。
私自身の専門は消化器内科です。医師となってから32年目にはいりました。以前は肝不全のために肝移植を要する患者さんに関わり、その際は脳死肝移植が少なく生体肝移植が主である日本の事情を背景とした肝臓の一部を提供される家族の心の悩みに触れたり、大きな決心をして肝移植を行ったものの残念ながら思うような経過が得られなかった方を見届けることとなったり、移植後に体調が回復され新たに人生を切り拓かれた方をみてきました。また消化管では、それまでアプローチすることが困難であった小腸に対して、2000年を過ぎた頃からカプセル内視鏡やバルーン内視鏡の開発に伴い検査・処置ができるようになり、新しい知見が次々と生まれることを体験しました。当院へ赴任後は、医療安全や感染対策など病院のマネジメントにも携わるようにもなっておりました。
当院の前身である下新川厚生病院は1948年に開設されました。1976年、黒部市民病院に改称されましたが、亡くなった祖母が最後まで「厚生病院」と言い続けたように変わらず地域の住民に親しんでいただき、今年で75周年を迎えます。病院基本方針に、地域の医療・保健・福祉施設と連携して地域完結型の医療を目指すことを掲げておりますが、この新川医療圏で医療を提供し続けることが出来ているのは、日頃から連携させていただいている機関・施設の皆様のおかげと感じております。病院としては、2006年から全国に先駆けた地域医療連携システムとして「扇状地ネット」を稼働させ、地域の医療者との情報共有に努めてきましたし、2019年には地域医療支援病院の指定を受け、地域の中核病院としてかかりつけ医を支援する役割を果たせるよう連携体制を充実して参りました。これからも共に「安心の医療」を地域にお住まいの方々に提供していけるよう、職員一同で邁進していきたいと思います。今後とも皆様のご理解とご支援をいただけますようよろしくお願いいたします。
私自身の専門は消化器内科です。医師となってから32年目にはいりました。以前は肝不全のために肝移植を要する患者さんに関わり、その際は脳死肝移植が少なく生体肝移植が主である日本の事情を背景とした肝臓の一部を提供される家族の心の悩みに触れたり、大きな決心をして肝移植を行ったものの残念ながら思うような経過が得られなかった方を見届けることとなったり、移植後に体調が回復され新たに人生を切り拓かれた方をみてきました。また消化管では、それまでアプローチすることが困難であった小腸に対して、2000年を過ぎた頃からカプセル内視鏡やバルーン内視鏡の開発に伴い検査・処置ができるようになり、新しい知見が次々と生まれることを体験しました。当院へ赴任後は、医療安全や感染対策など病院のマネジメントにも携わるようにもなっておりました。
当院の前身である下新川厚生病院は1948年に開設されました。1976年、黒部市民病院に改称されましたが、亡くなった祖母が最後まで「厚生病院」と言い続けたように変わらず地域の住民に親しんでいただき、今年で75周年を迎えます。病院基本方針に、地域の医療・保健・福祉施設と連携して地域完結型の医療を目指すことを掲げておりますが、この新川医療圏で医療を提供し続けることが出来ているのは、日頃から連携させていただいている機関・施設の皆様のおかげと感じております。病院としては、2006年から全国に先駆けた地域医療連携システムとして「扇状地ネット」を稼働させ、地域の医療者との情報共有に努めてきましたし、2019年には地域医療支援病院の指定を受け、地域の中核病院としてかかりつけ医を支援する役割を果たせるよう連携体制を充実して参りました。これからも共に「安心の医療」を地域にお住まいの方々に提供していけるよう、職員一同で邁進していきたいと思います。今後とも皆様のご理解とご支援をいただけますようよろしくお願いいたします。
2023年度 医師紹介
医師の異動
所属 | 転出者 | 転入者 | 専門 |
---|---|---|---|
内科 | 竹田 慎一 | ― | |
廣田 悟志 | ― | ||
浅野 彰子 | 中田 竜介 | 糖尿病内分泌疾患 | |
本江 駿人 | 杉下 康裕 | 糖尿病内分泌疾患 | |
森田 幸輝 | 湊 友佑 | 消化器疾患 | |
須田 哲史 | 清水 真実 | 内科一般 | |
柳澤 宏嘉 | 下村 修治 | 腎臓疾患 | |
― | 若山 卓史 | 腎臓疾患 | |
― | 井城 敬一郎 | 消化器疾患 | |
感染症内科 | ― | 兼田 磨熙杜 | 感染症疾患 |
外科 | 武居 亮平 | 山崎 裕人 | 消化器外科 |
加藤 一希 | 岡本 純平 | 消化器外科 | |
小児科 | 眞島 星利奈 | 尾山 貴章 | 小児科一般 |
西橋 祐樹 | 今村 芽依 | 小児科一般 | |
産婦人科 | 日高 隆雄 | ― | |
八木 萌 | 伊藤 実香 | 産婦人科一般 | |
― | 眞島 拓也 | 産婦人科一般 | |
皮膚科 | 東 晃太郎 | 南保 宏実 | 皮膚科一般 |
耳鼻いんこう科 | 酒野 真衣 | 里見 佳保 | 耳鼻咽喉科一般 |
脳神経内科 | 新井 裕一 | ― | |
呼吸器外科 | 本間 崇浩 | 嶋田 喜文 | 呼吸器外科一般 |
眼科 | 沼田 彩花 | 大滝 亮 | 眼科一般 |
放射線科 | 長岡 将太郎 | 齋藤 裕己 | 放射線診断 |
麻酔科 | 小川 浩平 | ― | |
救急科 | ― | 佐藤 史隆 | 救急 |
歯科口腔外科 | 花城 佳志 | 井城 江莉子 | 歯科口腔外科一般 |
講演・勉強会のご案内
1. 新川胸部疾患検討会
日時 | 毎月第2木曜日 18時30分~19時30分 |
---|---|
場所 | 中央棟3階 会議室6 |
2. オープンキャンサーボード
日時 | 6月開催予定 (追ってご案内いたします) |
---|---|
場所 | 中央棟3階 講堂 |
3. 内科カンファレンス
日時 | 毎週火曜日 17時15分~ |
---|---|
場所 | 中央棟3階 会議室6 |
特集 緩和ケアチームの取り組み
当院の緩和ケアチームにおける各専門スタッフの役割についてご紹介いたします。
緩和ケアセンター部長
小林 孝一郎
(緩和医療専門医)
令和4年5月に緩和ケアセンターを開設しました。主な業務は、緩和ケアチーム、緩和ケアセンター外来、がん相談支援センターです。緩和ケアチー
ムは、からだのつらさだけでなく、こころのつらさ、経済的なことなど、患者・家族が困っていることについて、いろいろな職種と協力しながら解決できるように支援します。メンバーは、からだのつらさを担当する緩和ケア医、こころのつらさを担当する精神科医と公認心理師、緩和ケアについての知識と技術を持った看護師、薬剤師、理学・作業療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカーです。平日は毎日コアメンバーでラウンドし、きめ細かく様々な問題に対応します。また、毎週水曜日にはチーム全体でカンファレンスを行い、問題解決のための話し合いを行っています。また、診療科や病棟カンファレンスにも積極的に参加しています。最終目標は、患者・家族にとって可能な限り良好な生活の質(QOL)を実現することです。通院中の患者・家族には、緩和ケアセンター外来やがん相談支援センターで対応しています。外来診察は原則火曜と木曜の午前中ですが、可能な限り主治医の受診日に合わせています。8ヶ月間の実績は、緩和ケアチーム新規依頼52件、緩和ケアセンター外来患者数43人(延べ)、がん相談支援センター相談件数474件(延べ)でした。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
ムは、からだのつらさだけでなく、こころのつらさ、経済的なことなど、患者・家族が困っていることについて、いろいろな職種と協力しながら解決できるように支援します。メンバーは、からだのつらさを担当する緩和ケア医、こころのつらさを担当する精神科医と公認心理師、緩和ケアについての知識と技術を持った看護師、薬剤師、理学・作業療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカーです。平日は毎日コアメンバーでラウンドし、きめ細かく様々な問題に対応します。また、毎週水曜日にはチーム全体でカンファレンスを行い、問題解決のための話し合いを行っています。また、診療科や病棟カンファレンスにも積極的に参加しています。最終目標は、患者・家族にとって可能な限り良好な生活の質(QOL)を実現することです。通院中の患者・家族には、緩和ケアセンター外来やがん相談支援センターで対応しています。外来診察は原則火曜と木曜の午前中ですが、可能な限り主治医の受診日に合わせています。8ヶ月間の実績は、緩和ケアチーム新規依頼52件、緩和ケアセンター外来患者数43人(延べ)、がん相談支援センター相談件数474件(延べ)でした。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
精神科医長兼心療内科医長
西川 祐美子
がんを告知され、悲嘆にくれている患者さんに対して、できることは何か・・・。それは、気の利いた声がけでもなく、無理矢理な共感でもなく、まずはただただそのお気持ちを受け止めさせていただくことではないでしょうか。心からの傾聴、それに尽きると思っております。お気持ちをおききして、そのつらさを精一杯受け止めさせていただく。そのつらさから決して逃げずに、いつでもまたお話をきかせていただく。精神療法としては、その姿勢を貫いていきたいと思っております。また、薬物療法としては、不眠や抑うつに対して、身体状態を考えながら慎重にお薬を処方します。患者さんとよく相談しながら、必要性を理解していただいた上で処方するよう心がけています。さらに遺される側であるご家族の気持ちにも寄り添って、家族支援にも力を入れていきたいと考えております。
看護師
がん看護に精通した複数の看護師を配置しています。命に関わる重大な疾患を持つ患者さんが、人生を最後までその人らしく生き抜くためのサポートに努めています。どのように生きてきたのか、どのような人だったのか、患者さんとその家族の話から、表出できた言葉を大切に、真摯な姿勢で受け止め、どのように対処すればよいかを考え、適切な専門職と相談・調整する「かけはし」となれるよう努めます。
薬剤師
患者さんの状態を把握し、薬物療法の提案及び支援を行います。また、薬剤について服薬指導等を行ったり、多職種との連携を図り、副作用への対策を取る事で症状が軽減できるように努めています。
リハビリ療法士
病態や治療による痛み、入院による体力低下で動きが困難となった患者さんを対象に、その人にあった専門職が、残された能力を見極め、日常生活の維持・改善ができるよう福祉用具の調整、動作方法等の指導や訓練を実施します。
臨床心理士
闘病中は落ち込みや不安、圧倒的な孤独を感じて、だれしも心が揺れ動きやすいものです。そのような時、患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながらお話を聴き、精神心理面の安定を目指します。また、患者さんの意思決定の支援をしたり、患者さんと専門職をつなぐこともしています。
管理栄養士
治療や病状の進行により、食事摂取が困難になるケースがあります。患者さんの口から食べたいという気持ちを尊重し、食べやすい調理の工夫や嗜好に沿った食事の調整を行います。また、退院後の食事の相談にも対応し、患者さんやご家族の不安軽減に努めていきます。(写真は6月の行事食の一例です。)
社会福祉士
仕事や介護、医療費や生活費など、患者さんとご家族の不安や課題を一緒に考えます。安心して治療ができるよう、療養生活を支える制度やサービスを紹介し、関係機関との連絡・調整を行っていきます。
緩和ケアセンター外来への受診について
他院からの紹介については、主となる病気の診療科を窓口とさせていただいております。病気の診療科の医師が主治医となり、緩和ケア医による併診であることを予めご了承ください。ご予約は地域医療連携室までお願いいたします。
緩和ケアについての相談窓口
がん相談支援センターでお受けしておりますので、0765-54-2211(内線2805)までご相談ください。
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