10月12日から11月8日までの約4週間、ジョージア州のナビセントヘルスで研修させていただきました。志望科である産婦人科と、日本ではあまりなじみのない家庭医学を2週間ずつ見学させていただきました。簡単にではありますが、体験記をここにまとめます。

産婦人科
産婦人科ローテでは経腟分娩、帝王切開、手術、外来見学など幅広く経験させていただきました。ハイリスク妊娠の外来を見学したときには、BMIが40を超えている妊婦さん、HbA1cが13％を超えている妊婦さん、HIVを合併している妊婦さん、妊娠回数が10回を超えている妊婦さんなど日本でみたことがないような患者さんが多数通院していて大変驚きました。経腟分娩を何例かみせてもらいましたが全員が無痛分娩でした。アメリカでは多くの妊婦さんが無痛分娩を行うと教えてもらい、日本ではまだ普及している最中だと伝えると「tough mom」と驚いていました。また、アメリカではじめて婦人科のロボット手術をみることができました。子宮全摘、子宮内膜症の手術、卵巣嚢胞摘出など見学できて大変興奮しました。術当日に退院すると聞きさらに驚きました。他にも異常子宮出血でコンサルされた患者さんの診察についていったり、帝王切開を見せてもらったり、レジデントの業務をたくさん見学させてもらえました。

家庭医学
最初の1週間は病棟、残りの1週間は外来を見学させてもらいました。病棟にはDKAやCOPDの急性増悪、褥瘡の患者さんなど科の専門性によらず幅広く多様な患者さんが入院していました。毎朝レジデントと上級医とで、ひとりひとりの患者さんについて今後の退院先や治療方針など時間をかけて議論していたのが印象的でした。外来では定期フォローの患者さんを診察することが多かったです。服薬状況は変わっていないか、きちんと内服できているか、ワクチン接種やがん検診を受けているかなど、丁寧に問診していました。子宮頸がん検診やうつ病のスクリーニングなども家庭医学の外来でおこなっており、かかりつけ医として患者さんの健康を守るために幅広い知識が必要な分野であることを知りました。

英語は全然できませんでしたが、レジデントたちは簡単な英語に言い換えて丁寧に説明してくれたり、手術やお産、手技があるときや新患が来たときには忙しい合間をぬって呼びにきてくれたりと親切にしてもらったおかげで充実した研修することができました。朝早くから夜遅くまで仕事や試験勉強に励んでいるレジデントたちの姿をみて刺激をもらえました。休日はニューヨークでミュージカルをみたり、フロリダのディズニーランドにいったりと観光もとても楽しかったです。本当に充実した4週間を過ごさせていただきました。小宮先生や西村さん、ご指導いただいたメイコンの先生方、事務の方々など多くの方々に支えていただきました。このような貴重な機会をいただき心から感謝しています。