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【研修医】メーコン黒部医療交流

石田 羽海医師


米国研修体験記

2023年11月11日からの4週間、ジョージア州メーコンのAtrium Health Navicentで研修を行いました。この文章を書いているのは12月7日、帰国前日の空港近くのホテルです。とても貴重な体験をさせていただいたこの4週間の記憶を呼び覚ましています。

研修について
最初の1、2週間は家庭医学(Family Medicine)での研修を選びました。先に研修を終えた同期からは基本院外のクリニックでの外来見学だと聞いていたのですが、1週目は丸々本院での研修でした。同じ科をローテしても時期によって多少の研修内容の違いはあるようです。本院での研修は朝8時からのカンファレンスに参加→総回診→再度カンファレンスし方針確認、といった感じでした。家庭医学は日本でいう町のかかりつけ医のような、primary careを専門にしているのかと思っていたのですが、本院では多くの入院患者を主科で診ていました。入院患者もDKAや脳梗塞、肺炎など多種多様でした。入院患者のBMIはさすがアメリカといった感じで、だいたいの患者が糖尿病を患っていたと思います。仕組みとしては、各患者をレジデントが主治医で担当し、方針について部長と話し合うというものでしたが、カンファレンスの雰囲気は日本のものとは全く異なるものでした。堅苦しい様子は全くなく、時に冗談も挟みながら、1年目レジデントでもしっかりと部長に意見しており驚きました。2週目からは院外のクリニックで外来見学を行いました。ここの仕組みは黒部の救急外来と似たような屋根瓦式で、レジデントがファーストタッチを行い、上級医に確認して方針を確定するというものでした。

3週目からの2週間は感染症科を選択しました。感染症科は日本と同じく基本的には主科では患者を持たず、コンサルトを受け抗菌薬の調整や方針の助言を行う立ち位置でした。コンサルトの数はとても多く、1日に7,8人の新患者のコンサルトを受けている日もありました。疾患も日本では聞いたことのない多剤耐性菌やHIV患者の敗血症など難しい症例も多く、感染症科の必要性を強く感じました。また、日本では使用できない抗菌薬がこちらでは第一選択となったり、米国ではEnterococcus faeciumが9割VCM耐性だったりと、各所で日本との感染症診療の違いを感じました。感染症科のDr. Ponceはとても面倒見がよく、また日本語も少し分かってくれます、完璧です。来年以降渡米される方にはぜひ感染症科はローテーションしていただきたいです。
休日の過ごし方
最初の週末はフロリダのケネディ宇宙センターへ。メーコンからはアトランタ空港まで約2時間、そこから飛行機で1時間半ほどで最寄りのオーランド空港へ着きます。宇宙のことなど全く知らずに訪れましたがとても楽しむことができました。実際に宇宙に行ったスペースシャトルなどがたくさん展示されており、1日では回り切れませんでした。
次の週末はThanksgiving Dayという米国の祝日であり、Dr. Ponce一家のホームパーティーに呼んでいただきました。2歳の息子ルカ君に癒されました。
最後の週末はヒューストンのジョンソン宇宙センターに行きました。ここは宇宙飛行士が実際に訓練する施設がある場所です。休日だったので宇宙飛行士には会えませんでしたが、さらに宇宙に行ってみたくなりました。

最後に
この4週間はとても濃密なものでした。言語の壁は厚く、相手の言っていることが全く分からなかったり、言いたいことが伝えられなかったりすることが多々あり苦悩することもありましたが、この研修でしかできないたくさんの経験をさせていただきました。このような機会を与えてくださった黒部市民病院関係者の皆様、Atrium Health Navicentの皆様に感謝申し上げます。

ホテルからの景色

スペースシャトル@KSC

Dr.Ponceの息子ルカ君と

感染症科のDr.Patrick(真ん中)と一緒にローテした学生(左)

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