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【研修医】メーコン黒部医療交流

梁 成吾医師


本年よりCOVID19流行のため2年間中断されていたメーコン・黒部の国際交流が本格的に再開され、無事メーコンでの研修を行うことができました。小宮先生や西村さんを始め、交流再開にあたってご尽力くださった方々、現地でお世話になった先生やスタッフの方々に感謝申し上げます。
私は10月17日から3週間脳神経内科を中心に研修をさせていただきました。最初の1週目と3週目は脳神経内科Smith先生について回りながら入院患者の診察・治療、救急を含め他科からのコンサルトの対応を見学しました。ナビセント医療センターの脳神経内科は、以前は複数の脳神経内科医がいらっしゃったそうですが、現在常勤の医師はSmith先生のみでした。ナビセントは主に急性期疾患を対象としており、脳卒中やてんかん、脊髄疾患、重症筋無力症クリーゼといった患者さんが入院していました。当院で経験する神経救急疾患と比較して気管挿管まで至るような重症例が多いように感じました(数えてはいませんが、およそ3割くらいでしょうか)が、伺ってみると入院期間は短く、平均で3~5日ほどで退院するそうです。意識障害時の神経診察や脳死判定、詐病を疑う際の診察(行ったHoover testは実際に陽性でした!)はなかなか経験がなく、診察の幅広さはとても勉強になりました。

脳神経内科の医師はSmith先生一人ですが、回診は一人ではなく、NP(Nurse Practitioner) やPA(physician assistant)の方々と行っておりました。また、Stroke Coordinatorという入院中の脳卒中患者の治療を調整する職種の方ともディスカッションしており、働き方の多様性の面でも日本との違いは明確でした。

2週目は小児神経科とリハビリテーション科で研修しました。小児神経科では自閉スペクトラム症などの発達障害の診断・フォローを行っており、CARS2などの評価検査をGoodson先生やNPのAprilさんについて見学しました。ちょうどハロウィンの週だったため、動物やディズニーのコスプレをしながらの診察で、診察後は職員でポットラック(みんなで料理を持ち寄るパーティ!)をしました。ひとつだけとても食べにくい見た目の料理がありましたので下に写真を載せます。ベビーカーで泣いている乳児をあやすために、母親がフライドポテトを与えていたのが印象的でした。
リハビリ科ではSudekum先生と病棟回診をし、その後PTのJezさんとともに脳梗塞後の患者さんの理学療法を見学しました。基本的にリハビリで行う内容は日本と大きく変わらないようでしたが、入院期間が短く2~3週間ほどで退院しなければならないため、少しでも長く保険が下りるように、初日の機能評価は時間をかけてとても丁寧に行っていました。Jezさんはとにかく陽気な方で、まさかアメリカに来てここまで笑いっぱなしの日が来るとは思ってもみませんでした。

そして3週目の初日に、Smith先生のご厚意で別のクリニックのWill先生の脳神経内科外来を見学する機会をいただきました。町中のクリニックにも関わらずとにかく問診が細かく丁寧で、1人の患者さんに50分ほど時間をじっくりかけていたことが印象的でした。患者さんがまずは家庭医を受診し、そのあと必要に応じて各科に紹介される、分業化されたアメリカの医療制度ならではの事情なのかと感じましたがどうでしょうか。

今回のメーコン研修では、産婦人科レジデントの先生方には歓迎会を開いていただき、Smith先生にはアトランタのNBAの試合チケットをいただきました。そして10月31日にはSharon先生にハロウィンパーティに招待していただき、仮装した近所の可愛らしい子供たちにお菓子を配りました。自分ひとりでは決してできないような経験を数多くさせていただき、とても濃厚な3週間でした。メーコンと黒部の素敵な友好関係に感謝です。もう一度行きたいです。

左から2番目がSmith先生

左から、Goodson先生と
NPのAprilさん

脳卒中シンポジウムで
配られていた脳みそグミ

リハビリ科Sudekum先生

PTのJezさん 梁は基本的に
いつも同じポーズ

真ん中がWill先生。
実習中の学生さんも一緒に。
Will先生のお父様は黒部に
来たことがあるそう!

小児神経科でのパーティ

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