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【研修医】メーコン黒部医療交流

金本 啓一郎医師


アメリカ体験記

11月16日~12月14日の間、アメリカGeorgia州のMacon市にあるNavicent Healthという病院で研修を行ってきました。英語は読み書きに関して言えばある程度出来るのですが、話すことと聞くことはかなり苦手です。未知の地へ行けることへの期待と、言語の違いに対する少しの不安を抱いて、僕の研修はスタートしました。
トラブルはすぐにやってきました。入国審査の際に、‘Do you have any food?’と聞かれ正直に答えたところ(牛丼やパックライス、味噌汁等を持参)、個別対応となってしまいました。おそらく‛beef’と‘rice’が駄目みたいでしたが、上手く説明できませんでした。荷物を透視検査され、持っている食べ物を全て見せるように指示され、荷物をくちゃくちゃにされました。没収は無かったですが、1時間程度拘束されました。周りにライフルを持っている警官のような人もいて、冷汗が凄かったです。散々な経験でしたが、それ以降は同期の田丸にサポートしてもらい何とか病院実習までこじつけることが出来ました。

病院実習

この研修のメインとなるNavicent Healthでの病院実習ですが、来年以降は外科医の研修を始める関係もあり、Surgery部門での研修を希望しました。指導をして頂いたBrewer先生は、大腸~直腸専門の医師であり、腫瘍切除やストーマ造設/閉鎖、下部消化管内視鏡検査などが中心でした。手技に関しては日本で見ているものとほぼ同じだったと思います。日本との違いは、ロボット手術であるDa vinciの適応疾患が多い事、患者のお腹の面積が限りなく大きい事です。外科医にとって開腹をする際にどうしてもお腹の脂肪の厚さはネックとなりますが、やはり本場の先生、開腹/閉鎖縫合処置は非常にスムーズでした。昨年黒部市民病院に来院された乳腺外科のDale先生にも何日かお世話になりました。乳房全摘術や生検など、多い日は1日7件行うなどかなり過密なスケジュールでした。2日間だけですがTrauma部門の見学もしました。80マイル(約130キロ)の自損事故による多発開放骨折や、プレス機に下腿を圧迫され搬送後にhypovolemic shockになった症例など、凄惨なものが多かったです。1つの症例に対して10人以上で迅速に対応し、10分ほどで初期対応を終えCT検査に向かうという、非常にスピーディーかつ正確な対応に驚きました。残念ながら銃外傷は見れませんでしたが、どこにでもありそうなスポーツショップで普通に銃が売られていました。

旅行

プライベートでは同期の稲場とAtlantaに行きました。その週末はThanksgivingというアメリカの休日が被っていることもあり、かなり多くの人で賑わっていました。Atlanta市内にはコカ・コーラの発祥を記念したWorld of Coca Colaや世界最大規模であるGeorgia水族館などの名所があり、いずれもド迫力でした。iFLYという室内でスカイダイビングが出来る施設でも遊んできました。直径5m、高さ15m程の筒の下から強風が吹き、その中でバランスを保ちながら色々な態勢を取るというものです。かなり難しくまっすぐ浮くだけで精一杯でしたが、インストラクターの方はその筒の中を上下左右自在に飛び回っている姿が印象的でした。

英語の難しさ

最初から不安だった英語ですが、やはり難しかったです。発音が日本語では聞きなれないものがあったり、単語間の繋ぎが速かったりと相手の言っていることが聞き取れないことが多かったです。それが原因で何を言えばいいか分からず、苦し紛れに答えても全然違うものだったりと、スムーズな会話をするにはまだまだ勉強不足だと実感しました。今度海外研修に行く時までに、もう少し上達しておこうと思います。

終わりの言葉

ちょこちょこトラブルはありましたが、全体的にはとても楽しく、充実した4週間でした。最後となりましたが、今回の研修に際し手厚くサポートして下さった辻先生、吉澤先生をはじめとする黒部市民病院の関係者の方々、米国での指導をして頂いたBrewer先生をはじめとするNavicent Healthの方々、深く感謝申し上げます、有難うございました。

指導医のBrewer先生

Thanksgiving = Turkey Dayとも
呼ばれているようで、焼いてみました!

スポーツショップ内に銃やボウガンなどが

iFLY直前、同期の稲場と

アメリカのクリスマスは本格的ですね。聖歌隊のコーラスもありました。
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