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【研修医】メーコン黒部医療交流

舟本 貴志医師


メーコン交流プログラム体験記

平成29年9月30日から10月30日までの1ヶ月間、初発メンバーとしてNavicent Healthの放射線科で研修させて頂きました。まずはこの場をお借りして、メーコン黒部医療交流にご尽力なされている全ての方々に心からお礼申し上げたいと思います。

1か月も海外に滞在するのは初めてであり、出発の前から期待と不安で胸がいっぱいでした(期待2:不安8)。どんな人に会えるのか、病院はどんな雰囲気なのか、英語は話せるだろうか、アメリカの食事に耐えられるだろうか、強盗に襲われないだろうか、日本に生きて帰れるだろうか、帰国後病院で「お疲れ様です。」ではなく「How are you? 」などと自然に言えてしまうようなアメリカかぶれした研修医になってしまわないか...。様々な感情と共にアトランタへの飛行機は成田空港を出発したのですが、某西村さんに勧められて搭乗前に購入した飛行機内でインターネットが使用できる16$のパスは国内線用のパスであったため国際線では勿論利用できず、無事にアトランタに到着することができました。
放射線科の研修では毎日違う指導医の下について読影の様子やIVRを見学させてもらったのですが、日本との様々な違いにとても驚かされました。読影で一番驚いたことは、読影レポートを書いて(タイピングで)記録するのではなく「話して」記録していたことで、アナウンスシステムと呼ばれるマイクのようなデバイスがあり、医師が話した所見がそのまま病院のデータベースに取り込まれていくというとても便利なものでした。初めは自分に所見を教えてくれているのかと思い「Yes. 」「I see.」などと相槌を打っていたのですが、20分くらいして自分に向かって言っているのではないということに気づき、無事に恥をかかずに済みました(?)。読影では、銃弾が体の中で砕けて散乱しているX線写真や、肥満の人が食事量を制限するために胃を縛る手術を受けた後のCT画像など、日本で見たらこっちまで悲しくなりそうな症例画像まで見ることできました。IVRを見学しているときに驚いたことは放射線技師の方々がドレーンチューブの固定縫合など日本では医師しかできない行為を行っていたことです。技師さんたちとの会話で「日本では医師以外が縫うと違法だよ。」と言うと、「じゃあ俺たちの仕事がなくなっちゃうね。HAHAHA!」などと返答がアメリカンであったのは言うまでもありません。アメリカの医療はとても合理的に仕事の分配がされていて、特に医師の仕事は重要な部分に限定されている印象を受け、それと同時に日本に比べてアメリカは技師や看護師の許可されている医療行為の幅が広く、日本でも医師の負担を減らす工夫ができるのではないかと思いました。
また、指導医の先生方の出身も様々で、ウクライナやパナマなど遠く離れた国から様々な人が集まっていて、アメリカの懐の広さのようなものを感じました。同じように遠い国である日本から来た自分の心境を汲み取ってもらえたのか、ウクライナ出身の先生には特に親切にして頂き、前回黒部から放射線科の研修に来ていた先生の話やお互いの故郷について雑談をしたのは本当にいい思い出です。パナマ出身の先生はドラえもんが好きで、特にのび太君が好きとのことでした。藤子・F・不二雄は本当に偉大です。

週末はアトランタ水族館やコカ・コーラ博物館、また弾丸ツアーでグランドキャニオンまで足を延ばしました。アトランタ水族館での一番のお気に入りは下の写真のマナティ(マナティだったかな?)です。イルカショーは綺麗なお姉さんをすごい速さで運んだり、イルカたちが同時に大ジャンプをきめたりと一見の価値ありです。グランドキャニオンは絶対に行ってみたいと思っていた場所で、地平線まで人工物がないので距離感がわからず不思議な感覚がするのですが、文字通り息を呑むような美しい景色でした。ラスベガスで仮装の女性との写真を撮って20ドルかかったのも許せるような気がしました・・・。

この1ヶ月の間に医療に限らず、アメリカの文化や多くの人のホスピタリティに触れることができ、素晴らしい時間を過ごすことができました。最後にNavicent Healthにて指導して下さった先生方、交流プログラムを支援して下さっている皆様に改めて感謝申し上げたいと思います。かけがえのない貴重な体験を本当にありがとうございました。

アトランタ水族館

グランドキャニオン

放射線科技師と看護師と一緒に

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