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【研修医】メーコン黒部医療交流

田中晴香医師


平成23年10月31日-平成23年12月2日

今回、2011年10月31日から12月2日にかけて、アメリカ合衆国ジョージア州メーコン市にある、The Medical Center Of Central Georgiaを中心にERそしてFamily Medicineを見学させて頂きました。Family medicineではFamily Health Centerという外来診療を主に行っている診療所も含め見学させて頂きました。

ER

ERには常時、3、4人ほどの救急医がおり、8時間から10時間交替で勤務をしていました。それ以外にも私が見学した時期には内科研修医が3人ほど一時的に研修に来ていました。ERには約50床ほどの個室の部屋があり、小児部門、胸痛部門、軽傷部門などに大まかに分かれています。患者は受付の後、各個室に割り当てられ、ベッドに横になります。その後看護師がバイタルを確認し、簡単な問診をとります。その報告を受けて研修医もしくは「PA」というPhysical Assistantという職業の人が患者の問診、診察を行い、検査前もしくは検査後に救急医に報告し、救急医が治療方針を決めるという流れになっていました。

症例に関してですが、日本との違いとして、保険を持っていない人が多いこと、コカインなどの麻薬を使用している人が多いこと、日本でいわれている「肥満」とは比べものにならないくらいの高度の肥満患者が多くいることなどが挙げられると思います。

また医療絡みの犯罪もあるそうです。ERの医師から聞いた話では、患者の中には処方箋を悪用して、もらった処方箋を不正にコピーし、必要以上の薬を受け取り、ネット上などで販売するような悪質なことをする人もいるようです。 なので、ERでは不正に処方箋をコピーすると、印刷した紙にコピーをしたことが分かるよう文字が浮き出るような特殊な紙を使っていました。

全体の雰囲気は医学生も実習できており、上級医もとても教育熱心な人が多いという印象を受けました。

Family Medicine

Family Medicineでは入院患者部門、そしてFamily Health Centerで外来を主に見学させて頂きました。Family Medicineは子供から(時には分娩も行うそうです)大人まで様々な患者を診ます。

例えば、私が見学していた時に入院していた患者の1人に、消化管出血が原因でひどい貧血になり、輸血を繰り返していた人がいました。入院中は基本的にFamily Medicineの先生が担当し治療方針を決め、内視鏡の検査をする時などは消化器の医師に依頼するというような方針をとっていました。

外来では、1日に1人の医師が10人程度の患者を診ます。1患者あたり30分くらいは診察にかけるという様子でした。診察室に医師がいるのではなく、1人の医師が3室ほどの診察室を担当し、そこに患者が各部屋に入室して、担当医師がその診察室に入っていきます。問診では患者の疾患のみならず、生活習慣や家族の近況なども話していました。

そして、診察台は産婦人科の内診台にもなるように作られており、子宮頸部の細胞診などもFamily Medicineの医師が行っていました。

アメリカ生活

今回滞在したジョージア州はアメリカ合衆国の南東部に位置します。私が滞在した時期は朝晩の冷え込みが強く、朝は車の窓などが凍っていることもありましたが、昼は暖かくコートが必要でないこともありました。夏は暑く40℃近くになることもあるそうです。

食事はもちろん牛肉もありますが、チキン、エビ料理も多かった印象があります。量がとても多く、2人で1人前を分けて食べるとちょうど良いような量で、レストランではほとんどの人が余った料理を持ち帰っていました。

周囲の人は皆さん気さくな人たちで、知らない人でも目が合うと「Hi!」と声をかけてくれ、ジョークを言ってくる人もいました。

最後になりましたが、今回このようなすばらしい機会を与えてくださった、黒部市民病院の皆様、The Medical Center Of Central Georgiaの皆様を始め、その他のスタッフの皆様に心よりお礼を申し上げます。

医師になってまだ2年であり、まだまだ未熟ではありますが、この時期にこのような貴重な経験をすることで、今後医療に携わっていく上での大きな糧となったと思います。

お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

The Medical Center of Central Georgia のERの前

Family Health Centerの診察

Dr.Kitchenと

Family Health CenterでDr.Weintrautと

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