グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


【研修医】メーコン黒部医療交流

藤木俊寛医師


平成19年10月20日-平成19年11月18日

このたび黒部市民病院の臨床研修の一環として、米国ジョージア州メーコン市のジョージア医療センターに研修に4週間行ってきました。

救急医療について

かねてから日本で聞いていたとおり、物量の違いばかりに目が行きました。 救急専門医だけで20人以上おり、さらに外傷患者のための外傷チームが常に待機しており、見学中に外傷患者が運ばれてきたときには、どこから出てくるのかというほどのスタッフが次々と現れてきました。

職種に関しては、日本には無い立場として、フィジカルアシスタントと呼ばれる医師と看護師の中間のような職種がおり、病歴聴取、診察、ある程度の検査を行い、おおかたの治療方針を決めるスタッフが存在します。救急専門医はたくさんいますが、8時間勤務3交代で、救急外来に常駐しているのは2人だけです。診察室が40室ほどあり、入ってきては出て行っての繰り返しですが、常に30室ほどは患者さんで埋まっています。2人ですべてみるのは無理なので、フィジカルアシスタントの出番です。医者は体を使うよりも、医者にしかできない頭を使うことを求められ、そして専念できるようになっていました。このように細分化はされていますが、日本では医師がやってしまうこと、そのぐらい自分でやったほうが早いし、人件費もかかるだろうにと思うこともありました。(例えば自分でカルテを作成せずに、電話越しにタイピストに話して作成してもらってました。先生方はパソコンを打つのが遅いです。)  症例に関しては、日本で見たものばかりで、治療に関しても大差ありませんでした。例えば、骨盤骨折の患者を見に来た整形外科の外傷専門の先生が、学生にレントゲンの見方を説明していましたが、日本で呼んだ教科書と同じことを説明していました。まあ、その教科書の出元はアメリカだから当然ですし、日本の医療は諸外国のものを参考にしていることが多いので、大きく違うはずもないですが。

学生に混じって講義も受けましたが、アメリカ、しかも南部という土地柄もあり、麻薬使用者の警察の通報の義務など日本ではあまり聞かないことだったので、ヘーっと思いながら聞いていました。

たまに見たことの無い手技もでてきましたが、どの先生も質問したら快く答えてくれ、大学付属の医療センターということもあり、非常に教育的な雰囲気でした。

小児科について

やはり規模は非常に大きいです。NICUはベットが40近くあり、ここでもフィジカルアシスタントが大活躍でした。そして一般小児科病棟の内装は青と黄色というなんとも変わった配色です。はじめ見た時は「えっ・・・」と思いましたが、すぐに慣れました。

症例は日本でもありふれた気管支喘息や肺炎、胃腸炎などの入院もしましたが、欧米人、黒人に多い先天的な病気や、頻度の低い、黒部市民病院での研修ではまだ見たことの無い疾患をたくさん見させていただきました。回診のときはドクター、レジデントなどがたくさんで少ししか見れなかったのですが、後でもう一度見させて下さいとお願いすると、快く見せてくれるとても良い先生ばかりでした。ほかにも学校でバスケ、サッカーなどスポーツ活動をする子は、必ず検診を受けて、心臓、体に異常がないことの診断書が必要等、日本にはない医療のシステムも興味深かったです。  

また小児科研修中にハロウィーンがあったのですが、病院でも若いDrや看護師などスタッフが仮装したまま仕事をしていました。ピンクの豚の衣装を着た看護師さん、化粧のきつい白雪姫や、お腹にリアルな乳首が付いている牛、なぞのドレスの集団、かぼちゃ柄のTシャツ(本当に普通にかぼちゃのようでした)、犬・猫(ここら辺はかわいかった)などたくさんいました。

アメリカについて

入国審査でパスポートと違い、ひげとメガネを付けていたため怪しまれ、いきなり別室でのチェックになるなど、いきなりハプニングでしたが、さすがアメリカと開き直り、海外での生活を楽しんできました。

週末はメーコンから車で7時間ほどの距離にあるノースカロライナにあるグレートスモーキーマウンテンという国立公園に行ってきました。さすがアメリカ、山ひとつが国立公園です。ひょっとしたら富山県の半分くらいの敷地かもしれません。すばらしい紅葉でした。

アメリカ風にアレンジされた寿司は一口目はおいしいものの、そのボリュームに圧倒され、ネーミング一つ一つに苦笑しました。(マウンテンロール、富士ロール、頭痛ロール) しょうゆに親指1本分ほどあろうワサビを溶かし、黄緑色のしょうゆに寿司をつけて食べていたアメリカ人もいました。日本人とは味覚が違うのですね。(←その人だけかもしれませんが)

今回この機会を与えて下さった市民病院の職員をはじめ多くの方々に、心から感謝を申し上げたいと思います。今後この経験を役立てるため、一生懸命精進していきます。
ページトップへ戻る