脱毛症とは
黒部市民病院 皮膚科部長
大石 直人 医師
大石 直人 医師
脱毛症とは、発毛がまばら、もしくは完全に無い状態を言います。原因は多岐に渡り、先天性、外傷、ストレス、老化、自己免疫、ホルモン異常などが挙げられます。先天性や外傷など、毛母細胞自体が無い、または変性している場合は有効な治療がありません。一方、毛母細胞が問題ない場合は発毛が期待できます。男性型脱毛(壮年性脱毛)は、加齢とともに成長期が短くなり生じます。毛は、成長期(約6~7年):毛が伸びる時期→退行期(約3週間):毛が抜ける時期→休止期(約3~4ヶ月):毛が抜けてから発毛するまでの時期がありますが、老化と共に成長期が数ヶ月程度に短くなり、毛が少なくなります。男性ホルモンの影響があり、現在は男性のみにホルモンを抑える内服薬(保険外)があります。円形脱毛症は、自己免疫疾患にあたり、自分の免疫細胞が毛根を攻撃することによる脱毛が起こります。最近、新しい治療(ステロイドパルス療法、JAK阻害剤内服)が開発され、従来治療で難治な患者でも発毛が可能になってきております。