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医療最前線(健康コラム)

レカネマブ


黒部市民病院 精神科部長
心療内科部長
安井 伸一 医師


 レカネマブは、アルツハイマー病の新しい治療薬として2023年1月に米国内で、同年9月に日本で承認されました。当院では2024年6月にアミロイドPET検査実施の承認を受け、レカネマブ投与が可能となりました。
 レカネマブにはアルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβというタンパク質を脳から排除する作用があります。アミロイドβは通常、自然と脳から排泄されますが、排泄されず塊状になって脳に蓄積してしまうこともあります。これが神経細胞にダメージを与え、アルツハイマー病の原因になるのではないかと言われています。一度破壊された神経細胞は元には戻らず、そのためレカネマブによるアミロイドβの除去が有効です。
 臨床試験では18か月間全37回のレカネマブ投与により、脳中のアミロイドβが減少し、記憶、見当識、判断力と問題解決能力、地域社会活動、家庭生活及び趣味・関心、介護状況といった全般臨床症状の悪化が27.1%抑制されました。
 レカネマブの重大な副作用として、脳浮腫や出血等があげられます。そのためレカネマブを使用する時は、医療機関のMRI等での定期検査が必要です。当院では5回、7回、14回、28回目の投与前にMRIを施行することとしています。

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