ブックタイトル70th_Anniversary2

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概要

70th_Anniversary2

2黒部市民病院院長竹田慎一黒部市民病院創立70年を迎えて 1948年1月桜井町国民健康保険組合直営組合立下新川厚生病院として産声を上げてから70年が経過しました。開院当時の診療科は内科、外科、耳鼻咽喉科の3科、病床数72床、職員総数23名でしたが、現在では、診療科34科、病床数414床、常勤医師数89名を含め正規職員数約580名の新川医療圏の基幹病院となっています。これまで当院の発展に携わってこられました職員各位、当院に対し心温まるご支援をいただいた住民の皆様に感謝申し上げます。 2012年度に着手した増改築事業が5年間の歳月を経て完了し、2017年3月グランドオープンを迎えることができました。50床から80床に増床された介護老人保健施設「カリエール」・やわらぎデイサービスセンターが入る老健棟と、手術室・ICU病棟・新川地域救命センター・各科外来が入る中央棟が新築され、西病棟と高度医療棟(北棟)が改築されました。さらに、旧外来棟跡地には200台以上の駐車スペースと屋根付き歩道が整備されました。急性期病院としての機能拡充、災害拠点病院としての機能の充実、患者を含めた来院者に優しい環境の整備、以上3つのコンセプトが盛り込まれた増改築事業の完了により、ハード面では新川医療圏の基幹病院としてふさわしい施設になったものと自負しております。また、ソフト面でも、2016年12月には長年の夢であった7対1入院基本料の算定が新川医療圏で初めて許可され、急性期病院にふさわしい手厚い看護を提供することが可能となりました。 我が国では少子高齢化が進展し、2025年に向けて新たな医療・介護制度の構築、治す医療から治し支える医療・介護への転換が進んでおります。偉大な諸先輩が築いてこられた黒部市民病院も今まさに大きな転換点に差し掛かっています。これまで当院は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の全ての機能の入院医療と、かかりつけ医から専門医、さらには救急を含めた幅広い外来医療を提供してきました。一方、国・県の新たな医療政策として、2017年3月に「富山県地域医療構想」と「新公立病院改革プラン」が、2018年3月には「富山県医療計画」が策定されました。いずれにも共通している言葉が「機能分化と連携」であり、当院においても今後入院・外来のどの機能を受け持ち、どの機能を他の診療所・病院に任せ、お互いに連携を図るのか、今まさに決断が迫られています。一病院で支える医療から地域で支える医療・介護への大転換に呼応していく必要があります。 この大きな変化に対応していく中で、忘れてはならないのが病院憲章の「日々念心」です。これは初代院長の草野久也先生の遺訓であり、医療者の研究と工夫努力に裏打ちされた患者とのこころの医療の大切さを示したものです。全職員がこの言葉を胸に、地域の皆様にとってより良い病院を目指し努力していく覚悟です。今後とも皆様方のご指導、ご助言をよろしくお願いいたします。