令和4年度 黒部市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 528 145 214 333 381 591 976 2018 1606 608
 令和4年度の当院において退院した患者さんを年齢階級別(10歳刻み)に集計したものです。
 全退院患者数は7,400人で前年と比較して444人の減となっております。
 増減の内訳は0~9歳までが大幅に減、10~79歳までが各年代それぞれ小幅の減、逆に80歳以上では各年代それぞれ増となっております。コロナが以前と比較して落ち着いたため発熱等で受診する小児が減少、逆に高齢者は病院に受診しやすくなった為と推測されます。
 当院は地域医療支援病院であり、また、新川医療圏の小児急患センターを併設し地域周産期母子医療センターの指定を受けていることから幅広い年齢層の患者さんを診察しており10歳未満の患者さんは多い傾向にあります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 125 25.55 21.11 34.4 86.22
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 119 21.81 17.54 18.49 86.15
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 118 16.37 13.61 16.1 83.98
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 83 8.99 14.28 0 67.58
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 62 2.94 10.53 0 71.65
 誤嚥性肺炎は誤嚥が原因の肺炎で高齢者や寝たきりの方に多く発症します。抗菌薬による治療を行います。治療が効きにくかったり誤嚥のため肺炎を繰り返すことがあります。肺炎が治っても他の持病や体調の改善が十分でなく入院が長引くことがあります。

 心不全とは心臓が何らかの原因で弱ってきたため呼吸困難やむくみを来す病態でその原因は虚血性心疾患や心臓弁膜症、心筋症、不整脈、その他非常に多岐に渡っています。近年本邦では少子化に伴い人口は減少に転じており、その傾向は今後も続くと予想されていますが、心不全については今後10年ほどは増加し続けると予想されています。その一つの原因は高齢者の割合が増加している事とされており、高齢の心不全が増加してきています。心不全の治療についてはその原因によっても異なりますが一般的には薬物療法、食事療法、運動療法に加えて禁煙等の生活規制も重要です。

 尿路感染症は尿の出口(尿道口)から細菌が尿路に進入することで生じます。したがって男性よりも尿道の短い女性に多く発症する傾向があります。一方、男性の場合、前立腺炎をきたすことがあります。膀胱で感染が留まる場合は膀胱炎と呼ばれ、細菌がさらに上行し腎臓まで進入すると腎盂腎炎を起こします。尿路感染は尿の中に細菌がいることを確認して診断します。無症状のものから高熱を伴うものまで症状は幅広いですが、無症状であれば薬物治療は行わないことが多いです。頻尿や残尿感、排尿時の痛みがあれば尿路感染症を疑います。さらに背部痛や高熱が出ると急性腎盂腎炎を疑い、しばしば血液中に菌が移行する菌血症を伴います。軽症であれば、外来にて抗生物質の内服にて治療しますが、急性腎盂腎炎にまで至ると重症化して入院が必要となることが多く、点滴にて抗生物質を投与します。繰り返す場合、尿路結石や膀胱尿管逆流症など器質的疾患がある可能性もあり、泌尿器科で精査のうえ、薬物以外の治療が必要となることがあります。

 当科では糖尿病チーム医療とした多職種および診療科の連携を実践しています。糖尿病専門医をはじめ看護師などが一体となって取り組んでいます。病診連携を通して合併症抑制にも取り組んでおります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 108 3.8 6.13 2.78 0
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 33 3.52 5.70 0 4.76
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 5.41 6.05 0 3.16
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 25 4.08 5.89 0 1.2
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし 21 6.62 9.48 0 2.05
1.妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし
当院は新川地域の周産期母子医療センターの役割を担っています。ハイリスク妊婦の情報を産科医師と情報を共有し、周産期の対応をシームレスに行っています。当院ではNICUの入院基準を在胎33週以降、体重1500g以上としており、リスクの高い症例に関しては、あらかじめ県内の高次医療機関へ母胎搬送を行っています。また、小児循環器科医による胎児心エコーを行っており、出生前から心疾患の把握につとめ出生直後から速やかに治療につなげるようにしています。

2. ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし
胃腸炎は小児によくみられる感染症ですが、そのなかでもウイルスが原因となるものは頻度が多くなります。ロタウイルスはワクチンによって予防出来ますが、それ以外によく知られているノロウイルスの他にもアデノウイルスなども原因となります。特別な治療法はなく安静と補液など対症療法が中心となり、手洗いなど予防が重要です。

3.喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
気管支喘息は、気道が慢性的に炎症を起こしている病気です。言い換えると、空気の通り道(気道)の内側が赤く腫れている状態(炎症)なのです。腫れている原因は、ハウスダストやダニのアレルギーのことが多いですが、その他いわゆるカゼのウイルスなどが原因になる場合もあります。症状がなくても気道が赤く炎症していれば、「喘息」です。このため気管支喘息の治療は症状がなくても、治療を続ける必要があります。発作の頻度や重症度に応じて内服や吸入によるコントローを行います。

4. 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症
細気管支炎は気管支より奥の細気管支の炎症です。6カ月前後の乳児がかかりやすく、RSウイルス感染が80%を占めます。かぜ症状に続いて呼吸時にゼーゼーいう音(喘鳴〈ぜんめい〉)と呼吸困難があらわれます。あきらかな呼吸困難があれば入院となります。水分補給の点滴や酸素吸入がおこなわれますが、重症例は人工呼吸器で呼吸管理が必要なこともあります。

5. その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし
免疫が未熟な小児は様々な部位に様々な原因微生物による感染を来します。比較的よくみられるものとして中耳炎や尿路感染症があります。いずれも放置したり繰り返し感染することにより聴力や腎機能に影響がでる可能性があり、適切に治療する必要があります。一方で近年耐性菌の問題から安易な抗生剤使用は慎むべきであり、的確な診断のもと適切な抗生剤の使用が大切です。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 65 4.35 4.59 0 66.02
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 39 16.85 15.40 5.13 72.92
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 39 4.54 5.32 0 35.51
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 8.06 6.93 3.03 70.18
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 30 6.33 6.07 3.33 61.77
胃癌,大腸癌,乳癌などの悪性疾患から急性虫垂炎や急性胆のう炎などの緊急手術を要する疾患,また,鼠径ヘルニアなどの一般外科疾患にいたるまで,幅広い疾患の手術加療に対応しています.
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 99 26.91 26.42 58.59 83.4
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 60 17.58 22.44 6.67 74.63
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術等 35 6.83 9.58 0 58.97
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 30 3.47 4.86 3.33 64.07
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 28 9.11 16.41 0 63.11
 整形外科では小児から高齢者まであらゆる世代の運動器疾患を扱います。入院患者の半数は骨折など外傷が占めますが、転落事故のような高エネルギー外傷から特に誘因のない骨折まで様々です。高齢化社会では骨粗鬆症患者の軽微な外傷による骨脆弱性骨折が増加しています。また、活動性の高い高齢者も多く、加齢変化に伴う脊椎、関節疾患の入院、手術も増加しています。

1 股関節・大腿骨近位部骨折は高齢者に発生することの多い骨脆弱性骨折の代表で、転倒によることが多いのですが、特に外傷もなく発症することもあります。大腿骨近位部骨折は、疼痛、機能障害は高度でギプス固定など外固定が困難なこともあり、通常、緊急入院となります。長期臥床により合併症の危険性が高く、救命の意味でも早期に手術を選択することが多くなっています。社会復帰にはリハビリも要すため、在院日数も長くなり地域の医療機関と連携して転院でのリハビリ継続も多くなります。

2 膝関節症は一般には加齢による変形性膝関節症が大多数ですが膝関節の障害に対して保存的治療で改善を得られない方に入院、手術を行っています。関節の破壊の程度により関節を温存する骨切り術を選択する場合と、破壊の高度な高齢者では人工膝関節置換術を行う場合があります。高齢者においても生活の質の向上が望まれ、術後成績も安定し、ほとんどが予定通りの経過で自宅退院しています。

3 椎間板ヘルニアは青壮年の代表的腰痛疾患ですが、各年代にみられ、多くは通院での各種保存的治療により改善しています。入院となるのは難治性のものや神経障害の高度のもので、手術治療を行っています。昨今は低侵襲の内視鏡手術が増加し、入院期間は短縮し、全例短期間で自宅退院が可能になっています。

4 前腕の骨折は橈骨遠位端骨折(手関節)に代表される前腕部分の骨折です。転倒の際、手をついて受傷することが多く、破壊が高度なものや整復位の保持が困難なものでは手術を選択します。ギプスによる術前の疼痛管理も可能なため予定入院が多く、早期に退院し、通院でのリハビリを行っています。

5 四肢の筋腱・靭帯の損傷の多くは肩腱板断裂と膝前十字靭帯断裂で手術を必要とする場合に入院し、予定のスケジュールでほとんどが退院可能となっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 16 4.44 5.29 0 55.5
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 13 3.15 4.50 0 47.46
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 2.90
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 5.96
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 7.29
 形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 "Quality of Life" の向上に貢献する、外科系の専門領域です(日本形成外科学会HPより抜粋)。
 扱う疾患は多岐にわたり、当院でも様々な疾患に対して治療を行っています。良性・悪性を含めて皮膚・皮下腫瘍摘出術が主な手術となり、外来日帰り手術が大半を占めています。入院手術としては、腫瘍摘出術に伴い生じた皮膚欠損部に対する植皮術(全層植皮術、分層植皮術)や皮弁形成術を要するもの、顔面骨骨折整復術(鼻骨骨折整復固定術、頬骨骨折観血的整復術)、眼瞼下垂症手術等が挙げられます。また熱傷や外傷(神経縫合術、創傷処理)や壊疽病変の切除(四肢切断術、デブリードマン)など緊急手術等も行っております。また副耳や多指症、合指症などの先天奇形も手術対象となります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28 15.61 11.85 14.29 79.5
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 24 18.33 23.28 70.83 74.38
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 14.13 19.58 62.5 74.71
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 22 14.82 15.97 40.91 69.86
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 11.07 8.54 26.67 74.73
 地域住民の高齢化に伴い、転倒などの外傷による入院が増えています。
 頭蓋・頭蓋内損傷、非外傷性頭蓋内血腫は、リハビリや療養が必要な場合、内科疾患例えば腎透析や呼吸器合併症がない限り速やかに後方支援病院へ転院し、加療を継続させていただいております。
 脳梗塞は急性期治療が終わるとリハビリ病院へスムーズに転院できる仕組み(脳卒中連携パス)があるため在院日数は短くなっていますが、おひとり暮らしなどで退院後の生活が不安な方も増えています。早期リハビリで、少しでも日常生活に早く戻れるようとりくんでいます。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 7.33 10.06 0 70.1
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 4 9.68 0 39.54
160450xx99x10x 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術・処置等2あり 定義副傷病なし 10.83
040200xx97x00x 気胸 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16.34
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 8.60
呼吸器外科では肺癌など胸部悪性疾患や気胸に対する手術の他、胸部外傷といった救急患者に対する治療を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 28 2 2.66 0 65.57
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28 2.89 7.59 3.57 71.18
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 4.23
050161xx9900xx 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16.55
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 10.62
 下肢静脈瘤は血管がうきでるだけでなく、足のむくみ 鈍重感などの症状を伴うことがあります。手術によりそれらの諸症状の改善が期待できます。最新の手術治療では一泊入院でかつ早期からの社会復帰が可能です。
 血液透析の開始、維持には透析シャントの作成 修復が不可欠です。腎センターと協力し最善の処置を行っています。
 急性大度脈解離はタイプに応じた治療法を素早く決めることが肝要です。手術療法以外が選択された場合血管専門医が厳重な監視下に内科的治療を行います。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 51 8.96 9.38 0 33.06
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 36 2 3.02 0 42.08
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 32 8.38 9.37 0 32.81
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 28 5.61 5.98 0 44.75
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 22 5.41 6.04 0 43.23
 当科は新川医療圏の基幹病院として、また、周産期母子医療センターとして地域産婦人科開業医との強い連携のもとに成り立っています。
 全国的な分娩数の減少に伴い、当科においても分娩数は減少していますが、450件以上は取り扱っています。
 良性疾患は可能な限り低侵襲な内視鏡下手術の方針としており、早期退院が可能となっているため、在院日数の短縮化に寄与しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 333 2.2 2.63 0 76.21
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 5.80
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 5.07
020320xx99xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術なし 8.47
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 5.80
 白内障手術は1泊2日又は2泊3日で手術を行っています。
 硝子体手術は3日から1週間程入院して、術後の経過が問題なければ退院となります。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴 35 7.74 8.56 0 61.74
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 27 7.52 8.81 3.7 59.59
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病なし 26 7.04 8.15 0 43.85
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 21 7.81 7.73 0 28.05
030440xx97xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 その他の手術あり 20 2 6.01 0 27.4
 耳鼻いんこう科の対応する疾患は耳、鼻、副鼻腔(ふくびくう)、のど、頸部(くび)、唾液腺(だえきせん:耳下腺や顎下腺)、甲状腺(こうじょうせん)と多岐にわたり、手術の患者さんや、点滴などの手術以外の治療(保存的加療とよびます)を要する患者さんなど様々な病態の方の診察と治療を行っています。
 その中でも当院は昨年度、突然片方の耳の聞こえが悪くなる突発性難聴方への高圧酸素療法や点滴加療などの入院加療、また顔面神経麻痺に対する入院点滴加療やリハビリテーションの症例が上位を占めていました。なお、近年突発性難聴の治療に効果的な高圧酸素療法の機器が新しくなりました。
当院では感染症の患者さんも多く、入院治療を要する急性扁桃炎やさらにその病態が進行し治療的処置も必要な扁桃周囲膿瘍の症例、喉頭浮腫などの急性気道感染症の方々も多く来院され、また慢性および習慣性扁桃炎やアデノイド肥大など手術を必要とする症例もおられますし、主に0歳から2歳頃までの免疫機能が未熟な乳幼児が急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎のお子さん達の手術や、滲出性中耳炎、慢性中耳炎の方々の治療もおこなっています。
 そのほか甲状腺・唾液腺・喉頭・下咽頭の病気、めまいや鼻出血など頭頸部全般に関する治療をおこなっています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 19 12.68 15.97 31.58 76
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 7.33
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 19.98
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 16.50
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18.58
 脳梗塞の急性期治療を行うとともに、発症早期(遅くとも入院2日目まで)からリハビリテーションを行います。急性期治療は1週間程度で終了しますが麻痺が残る場合が多く、地域医療連携室スタッフが関わり急性期治療終了後速やかにリハビリテーションを専門に行う回復期病院へ移れるように連携を図っています。糖尿病などの基礎疾患がある場合には、基礎疾患の治療・管理のために若干入院期間が延びる傾向にあります。
 再発を繰り返しやすい多発性硬化症や慢性炎症性脱髄性多発神経炎などに対しては、ステロイドパルス療法や免疫グロブリン療法、血漿交換なども積極的に行って症状の回復を図っています。
 パーキンソン病については、通常は外来で薬物療法を行いますが、体調変化による急性増悪や投薬調整で短期間入院してリハビリや投薬調整を行うことがあります。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 59 9.58 13.50 0 73.08
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 51 8.04 9.25 0 70.41
080190xxxxxxxx 脱毛症 28 3 3.34 0 37.54
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし 28.56
130111xxxxx00x アレルギー性紫斑病 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10.91
 一般的な急性期病院の皮膚科入院患者の約8割は、帯状疱疹と急性膿皮症(蜂窩織炎・丹毒など)であり、これは当院でも同じです。そこで当院ではクリニカルパスを導入し、入院期間の短縮を図っております。一部の重症患者を除き、約9割の患者はパスの設定(帯状疱疹:8日間、蜂窩織炎・丹毒:9日間)されたとおりに退院しており、全国平均からみても平均在院日数が少なく、短期間で退院をしております。
 脱毛症が3番目に多く、こちらは全て難治性の円形脱毛症に対するパルス療法のための入院です。こちらもクリニカルパスを導入し、3日間の設定どおり全ての患者で予定どおり退院しております。
 4番目は、自己免疫性水疱症(水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡など)の入院ですが、高齢発症が多く、難治性のため平均入院日数が長くなる傾向があります。
 アレルギー性紫斑病の入院が5番目に多く、当院入院症例は腎障害などの合併症が多かったため、全国の平均在院日数よりも長くなる傾向になりました。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 67 2 2.45 0 73.72
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 52 9.21 6.85 0 75.98
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 47 2 2.49 0 60.47
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 39 7.31 5.29 0 63.03
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 18 11.67 13.61 11.11 75.11
 泌尿器科では前立腺癌の有無を調べる前立腺生検を多く行っています。
 また膀胱腫瘍の治療は主に全身麻酔下での内視鏡を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。血尿がひどい場合、放射線科、麻酔科と連携し、即日CT検査を行い、そのまま同日手術を行う場合もあり、早期の対応を目指しています。
 尿路結石に対しては結石の大きさ、感染症の有無などを考慮して、体外衝撃波による結石破砕、あるいは硬性尿管鏡や軟性尿管鏡を用いた経尿道的砕石術を使い分けて行っています。
 尿路感染に関しては抗菌薬の投与を行いますが、必要があればカテーテルによるドレナージも併用します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 18 14 21 28 38 1 8
大腸癌 21 13 31 38 80 52 1 8
乳癌 14 16 31 1 8
肺癌 28 20 28 39 90 1 7,8
肝癌 64 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
各癌種において,早期から進行,再発から終末期に至るまで,それぞれの病期に応じた適切な治療を心がけています.
特に終末期に関しては緩和ケアチームと密に連携しています.
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 9.83 57.28
中等症 63 17.52 81.71
重症 19 18.53 82.53
超重症
不明
 市中肺炎は自宅で生活している人が発症する肺炎です。一般に高齢者ほど重症化しやすく、重症者ほど入院は長くなる傾向にあります。
軽症の多くの方は外来で治療可能です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 132 18.17 77.98 45.52
その他 13 20.77 80.38 6.21
 脳梗塞発症4.5時間以内に来院された患者さんには血栓溶解療法(アルテプラーゼ注射)が可能であり、三分の一の方達は劇的に症状が改善します。また6時間以内に来院された患者さんは、血栓回収療法(血管内治療)が可能です。それ以外の方は抗血小板薬の注射や内服、リハビリテーションを行うことになります。また心原性塞栓症といって、心房細動を代表とする不整脈からくる脳梗塞の鑑別が大事になります。3日以内に来院されない方は、症状が軽いか、認知症だと思っていた、最初しびれていただけだったが麻痺が出現したなどの理由でした。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 50 0.42 1.6 0 71.68
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 49 1.14 10 2.04 73.47
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 42 2.6 1.74 0 78
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 34 1.18 19.62 23.53 80.91
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 30 4.4 6.77 6.67 70.87

経皮的シャント拡張術・血栓除去術
進行した慢性腎不全に対して血液透析を行う場合、上肢の動脈と静脈を吻合する手術を行い、内シャントを作成します。血流の豊富な内シャントに針を刺して、脱血し、透析機器に通すことによって毒素や余分な水分を除去し、その後、再び血管に返血します。これが血液透析ですが、内シャントの内腔が狭くなると、血流が十分に得られなくなり、透析の効率も不十分になるため、経皮的シャント拡張術・血栓除去術で治療します。当院では、超音波検査にてシャントの狭窄を確認したのち、一泊入院して、血管撮影室で、手術に準じた清潔な環境で熟練した放射線科専門医によりカテーテル治療を行っています。シャント血管に造影剤を注入し、狭窄している部位を確認します。次に、先端にバルーン(風船)がついたカテーテルという管を挿入し、狭窄病変でバルーンを拡張することによって治療します。翌日、透析を行い、血流が回復していれば退院となります。何度か繰り返す場合も多いです。



大腸癌もしくは大腸癌になり得る大腸ポリープに対して内視鏡治療を行っています。内視鏡を用いて切除・摘出を行い、摘出した病変は病理検査にて良悪性の最終診断や、悪性の場合は深達度などを評価し、根治性の判断などを行います。



胆管癌、膵臓癌をはじめとする悪性腫瘍並びに、総胆管結石などによって胆管の胆汁の流れが妨げられ、閉塞性黄疸を生じることがあります。その診断・治療のためERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を行い、胆管の出口である十二指腸乳頭部の切開・拡張や胆道ステント留置によるドレナージ(滞留した胆汁を排出すること)処置を行っています。



心臓はその周囲に冠動脈と呼ばれる心臓の筋肉を栄養する血管に取り囲まれていますが、この血管が動脈硬化等で細くなると心臓の筋肉に十分な血液を供給する事が出来なくなります。これが虚血性心疾患という病気です。これに対する治療法としては、基本の薬物療法に加えて冠動脈の狭窄部を機械的に拡張するカテーテル治療が行われる場合もあります。この際バルーンカテーテルと呼ばれる風船のついたカテーテルで広げるのみでは再び狭くなってしまうリスクが高いため、ステントと呼ばれる金属性の網目状の管を留置し再狭窄が生じにくくする事が多く行われます。これが経皮的冠動脈ステント留置術ですが、この治療は薬物療法の代わりではなく、むしろステント留置を行った場合、そこに血栓で出来ないようにより厳密に薬物療法を行う必要があります。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 65 1.26 5.51 4.62 67.14
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 56 1.04 2.29 0 64.61
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 35 3.71 11.49 5.71 72.37
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 24 0.88 5.46 0 67.83
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 20 0.4 3.25 0 34.75
腹腔鏡を用いた低侵襲手術に積極的に取り組んでいます.
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 94 1.67 21.56 52.13 79.48
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 90 1.11 14.73 5.56 75.64
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 53 1.45 8.53 11.32 64.08
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 35 1.66 4.17 0 58.97
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 32 0.91 1.31 0 50.25
1 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)は体幹に近い四肢の骨折に対して転位の整復・骨癒合を目的に手術を行うもので、主に金属製のプレート、髄内釘、スクリューを用いて固定します。早期の疼痛改善・離床、機能回復、社会復帰をめざし、全身状態に応じてできるだけ早期に手術を行ったうえでリハビリを開始します。多発外傷や合併症の併発、また、高齢者の骨脆弱性骨折の場合は受傷前より運動機能が低下しており機能回復には時間を要します。代表的疾患である高齢者の大腿骨頚部骨折では平均年齢も高く地域全体の医療・療養機関と連携して転院でのリハビリを継続しています。

2 人工関節置換術(肩,股,膝)は加齢、疾病(リウマチ、臼蓋形成不全など)外傷、腫瘍など種々の原因により関節機能が破綻した場合に関節を人工物に置き換えるものです。最も多いのは加齢による変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術ですが、ロボット支援手術を導入し、より正確で安全な手術を行っています。入院前に十分な術前検査を行い、入院後はクリニカルパスに沿ってほとんど同様の治療経過となります。術前に機能障害の著しい人は転院でのリハビリを継続していますが、概ね予定通り自宅に退院されており成績の安定した手術です。

3 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨)は体幹より遠い四肢の骨折に対して「1」と同様の目的に整復・骨接合手術を行っていますが比較的年齢が若く、術後は在宅療養も早期に可能となり通院でリハビリを行うことが多くなっています。

4 腰椎椎間板へルニアに対して内視鏡を用いて行う手術です。従来の内視鏡手術よりさらに低侵襲の全内視鏡的手術を実施しており、数㎜の皮膚切開で行います。術後疼痛も軽減し、手術翌日には歩行を開始し、2~3日で退院可能となっています。術前に全身管理を要す場合や疼痛コントロール不能のための緊急入院では術前日数を要しますが、通常手術前日か当日の入院です。

5 整形外科の手術では固定のため金属製の器具を使用しますが固定が完了すれば除去が可能となります。除去の適否は症例によって異なりますが支障なければ留置のままの場合もあります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹 14 0.86 2.79 0 55.57
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 12 0.5 4.25 0 77.25
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満)
K2193 眼瞼下垂症手術(その他)6
K0081 腋臭症手術(皮弁法)6
 形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 "Quality of Life" の向上に貢献する、外科系の専門領域です(日本形成外科学会HPより抜粋)。
 扱う疾患は多岐にわたり、当院でも様々な疾患に対して治療を行っています。良性・悪性を含めて皮膚・皮下腫瘍摘出術が主な手術となり、外来日帰り手術が大半を占めています。入院手術としては、腫瘍摘出術に伴い生じた皮膚欠損部に対する植皮術(全層植皮術、分層植皮術)や皮弁形成術を要するもの、顔面骨骨折整復術(鼻骨骨折整復固定術、頬骨骨折観血的整復術)、眼瞼下垂症手術等が挙げられます。また熱傷や外傷(神経縫合術、創傷処理)や壊疽病変の切除(四肢切断術、デブリードマン)など緊急手術等も行っております。また副耳や多指症、合指症などの先天奇形も手術対象となります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 39 1.33 16.28 23.08 78.72
K1771 脳脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
K1781 脳血管内手術(1箇所)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
K145 穿頭脳室ドレナージ術
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、脳神経外科で最も多い手術です。高齢者に多い疾患で軽い頭部外傷の2−3ヶ月後に発症し麻痺や意識障害を起こします。局所麻酔で手術を行うことで、ほとんどの患者さんの症状が改善し自宅や元の施設へ戻って行かれます。

 脳動脈瘤は破れるとクモ膜下出血になります。脳動脈瘤の治療として開頭クリッピング手術と脳血管内治療(コイル塞栓術)があります。
脳動脈瘤頸部クリッピングは、くも膜下出血を起こした患者さんの脳動脈瘤に行う手術です。術後に遅発性脳血管攣縮や水頭症の併発が起こりやすく、4週間程度の入院の後、約半数の方はリハビリ病院へ転院されています。
脳血管内手術とは、破裂・未破裂いずれの脳動脈瘤にも行っている治療法です。カテーテルを用いて血管の中から脳動脈瘤の内部をプラチナコイルで塞栓する方法です。
 
 高血圧などが原因で脳内出血を起こすと、脳が壊れてしまいます。壊れた脳は治りませんが、よりはやくリハビリに移行したり、救命のためやむを得ず開頭して血種をとる手術が頭蓋内血種除去です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 21 2 4.57 0 69
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 15 2.13 3.87 0 72.27
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 12 1.25 1.83 0 41.5
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術
K5132 胸腔鏡下肺切除術(部分切除)
良悪性疾患を問わず、患者さんに負担の少ない胸腔鏡下手術を標準としています。肺癌に関しては、腫瘍の悪性度や患者さんの体力に応じて、肺葉切除や区域切除などの術式を選択をします。気胸については、若年者は嚢胞切除を基本としていますが、肺が脆弱な高齢者に対しては縫縮術といった術式を選択することもあります。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 27 0 1 0 65.7
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 26 0 1 0 70.23
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈)
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
 下肢静脈瘤は血管がうきでるだけでなく、足のむくみ 鈍重感などの症状を伴うことがあります。手術によりそれらの諸症状の改善が期待できます。最新の手術治療では一泊入院でかつ早期からの社会復帰が可能です。
血液透析の開始、維持には透析シャントの作成、修復が不可欠です。腎センターと協力し最善の処置をおこないます。
 四肢の血行障害に対しては内科と協力し積極的な手術を行っています。当科では重症例に対し血流の迂回路をつくる「バイパス術」を行なっています。
腹部大動脈の拡大破裂予防は手術治療が最も確実な治療法となります。従来の開腹治療に加えて体に負担が少ないステントグラフト治療も積極的に行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 49 1.61 6.9 0 33.55
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 46 2.59 7.78 0 31.5
K867 子宮頸部(腟部)切除術 35 0 1 0 42.37
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 25 0.96 3.44 0 43.2
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 22 1.18 3.68 0 48.45
 当科は新川医療圏の基幹病院として、また、周産期母子医療センターとして地域産婦人科開業医との強い連携のもとに成り立っています。
 全国的な分娩数の減少に伴い、当科においても分娩数は減少していますが、450件以上は取り扱っています。小児科医や麻酔科医の協力の下、適応に応じて帝王切開術を安全に行っています。、
 良性疾患は可能な限り低侵襲な内視鏡下手術の方針としており、早期退院が可能となっているため、在院日数の短縮化に寄与しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 333 0.2 1 0 76.21
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 20 0 2.2 0 70.5
K279 硝子体切除術
K214 霰粒腫摘出術
 白内障は加齢により水晶体が濁る病気です。水晶体再建術は濁った水晶体を取り除いて人工のレンズを入れる手術です。
 硝子体手術は黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病黄斑浮腫などによる視力低下を改善させる目的で手術します。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 36 0.08 6.72 0 39.83
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 24 0.08 1.25 0 6.58
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 23 0.35 3.7 0 56.78
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) 13 0.62 1.23 0 62.77
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 12 0.25 5.17 0 32.42
 耳鼻いんこう科では、耳・鼻・のど・頸部(くび)・唾液腺(耳下腺や顎下腺)など眼の下から胸の上までの領域について、内科的加療(点滴など)から外科的治療(手術など)まで、様々な病態の方の診察と治療を行っています。
 手術については慢性扁桃炎に対する扁桃摘出術にくわえ、急性扁桃炎がさらに進行した扁桃周囲膿瘍のうち局所および全身状態を確認しながら局所麻酔でおこなう扁桃周囲膿瘍切開術をおこなう場合と、重症で難治性の傾向のある症例については全身麻酔による即時膿瘍扁桃摘出術をおこなう場合があり、即時膿瘍扁桃摘出術の有効性が確認されました。また、主に0歳から2歳頃までの免疫機能が未熟なお子さんにおける急性中耳炎を反復する症例(反復性中耳炎)が多く来院され、難治性の反復性中耳炎のお子さんに対する鼓膜チューブ挿入術や、滲出性中耳炎の方々への手術が占める割合が高い傾向にありました。
 鼻副鼻腔炎手術については「ナビゲーションシステム」という術中の処置器具の位置を詳細に知ることができる機器が導入され、内視鏡下鼻副鼻腔炎の方々に対する手術的加療の向上につなげることができています。
 リンパ節腫大を認める方について良性・悪性の判断に加え、その診断と詳細な治療方針決定のため他科と連携しながらリンパ節摘出をおこなう症例にも対応しました。そのほか甲状腺(こうじょうせん)、唾液腺、喉頭(こうとう)、下咽頭(かいんとう)に対する手術も行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 52 1.37 6.79 0 75.87
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 47 0 1 0 60.47
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 40 2.3 5.3 0 63.35
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 19 0.16 8.26 0 72
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術
 膀胱腫瘍に対しては、内視鏡を用いた経尿道的手術を多く実施しています。
 尿路結石に対しては結石の大きさ、感染症の有無などを考慮して、体外衝撃波による結石破砕、あるいは硬性尿管鏡や軟性尿管鏡を用いた経尿道的砕石術を使い分けて行っています。また腫瘍や結石により尿管が閉塞し、水腎症をきたした場合、尿管にステントと呼ばれる2-3mm程度のシリコンのカテーテルを留置し、バイパスのように用いる処置を行っています。こちらの治療時間は約30分程度です。
 腎や尿管の腫瘍に対して、低侵襲な治療として腹腔鏡での手術も取り入れて、早期の回復に努めています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 11 0.15
異なる 14 0.19
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 11 0.15
異なる
 厚生労働省による令和3年度DPC対象病院全国平均は、上から順に、播種性血管内凝固症候群0.150%、敗血症0.506%、その他の真菌感染症0.037%、手術・処置等の合併症0.567%です。当院は、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症,手術・処置等の合併症のすべてが全国平均を下回っています。治療に関しては、該当疾患のかかわる学会のガイドライン等を参照して、適切な薬剤の使用を心がけています。
更新履歴
2023/09/25