平成30年度 黒部市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 707 198 276 374 544 611 1187 1946 1652 522
 平成30年度に当院において退院した患者さんを年齢階級別(10歳刻み)に集計したものです。
 全退院患者数は8,017人で前年度より206人増加しています。70歳代の患者さんの割合が24%と最も高く、60歳以上の患者さんの割合は66%にのぼります。
 また新川医療圏の小児急患センターを併設し、地域周産期母子医療センターの指定を受けていることから、10歳未満の患者さんも多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 129 23.57 20.92 27.13 84.36
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 105 3.20 3.01 1.90 68.19
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 103 17.50 12.58 13.59 83.51
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 100 4.12 2.67 0.00 72.19
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 90 21.73 17.66 6.67 81.88
誤嚥性肺炎 
 誤嚥性肺炎は高齢者や寝たきりの方に多く、入院期間は24日ほどです。

狭心症、慢性虚血性心疾患
 狭心症をはじめとする虚血性心疾患の治療は大きく分けて1.薬物療法のみ 2.カテーテルを用いた治療  3.バイパス手術の3種類があります。各患者さんにとってどの治療法が最も適しているかを判断する上で最も重要なのはその人の冠動脈の状態であり、それを評価するために心臓カテーテル検査を行います。なお、狭窄の程度が中等度であり血管造影上の視覚評価のみでは判断が難しい場合には特殊なガイドワイヤーを冠動脈内に留置し冠血管予備能(FFR)を行う場合もあります。カテーテルを挿入する部位については患者さんに適した部位が選択されますが、一般的には鼠径部、手首、上腕等が用いられており、現在は手首からのアプローチが最も多いですが、一部の患者さんでは手掌からも行うようになってきています。

腎臓または尿路の感染症
 尿路感染症は尿の出口(尿道口)から細菌が尿路に進入することで生じます。したがって男性よりも尿道の短い女性に尿路感染が起きやすいと言えますが、男性の場合、前立腺炎をきたすこともあります。膀胱で感染が留まる場合は膀胱炎と呼ばれ、細菌がさらに上行し腎臓まで進入すると腎盂腎炎を起こします。尿路感染は尿の中に細菌がいることを確認して診断します。無症状のものから高熱を伴うものまで症状は幅広いですが、無症状であれば薬物治療は行わないことが多いです。頻尿や残尿感、排尿時の痛みがあれば尿路感染症を疑いますが、急性腎盂腎炎に至ると背部痛や高熱が出ることが多いです。発熱を伴わない場合、抗生物質の内服にて治療しますが、急性腎盂腎炎にまで至るとしばしば重症化して入院が必要となり、点滴にて抗生物質を投与します。繰り返す場合、尿路結石や膀胱尿管逆流症など器質的疾患がある可能性もあり、場合によっては泌尿器科で薬物以外の治療が必要となります。

小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)
 がん罹患数の第1位、第2位である大腸癌、胃癌、そして大腸や胃のポリープ(イボのように隆起したもの)に対応して内視鏡治療を行なっています。内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)を用いて癌やポリープを観察し、必要に応じて切除・摘出を行なっています。進行度により手術治療を行う場合もあり、外科との連携をとりつつ診療にあたります。

心不全
 心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
 心不全の原因は、虚血性心疾患や心臓弁膜症、心筋症、不整脈、その他非常に多岐に渡っており、心不全の治療においては、その原因も踏まえ食事療法、薬物療法や酸素療法が行われる場合があります。また原因精査のため心臓超音波検査や運動負荷試験、心臓カテーテル検査等を行い手術適応があるかも判断します。また状態に応じて適応があれば至適運動強度の評価を行った上で心臓リハビリテーションを実施する場合もあります。我が国での心不全の5年生存率は50%とされており、決して予後が良いとは言えませんので、その疾患の特性をよく理解していただいた上での厳重な自己管理も重要となります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 141 3.94 6.17 0.00 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 81 4.73 6.19 1.23 1.27
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 64 4.73 6.62 0.00 2.98
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2なし 32 2.63 3.83 0.00 2.09
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 27 3.81 5.42 0.00 3.89
妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重 2500g以上)
 当院は新川地域の周産期母子医療センターの役割を担っています。
 産科との密な連携が大切で、隔週で行われる周産期カンファレンスを軸に、情報の共有化に努めています。
 また、地域の産科施設、県内の高次NICU施設とも連携しています。
 当院ではNICUの入院基準を原則、在胎33週以降、出生体重1500g以上としており、リスクの大きな出産に関しては、あらかじめ県内の高次病院へ母体搬送を考慮します。
 一方、小児循環器医による胎児心エコーも行っており、出生前に重症の心疾患の存在を把握できるよう、努めています。
 妊娠期間が短かいほど、新生児は未熟である可能性が高く、出生後に医療介入が必要になる頻度も高くなります。

急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)
 小児の下気道感染症の多くは、ウイルスや非定型菌感染によるものです。
 富山県衛生研究所によると、下気道感染症の原因となるウイルスは、ライノウイルス、ヒトボカウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどです。
 中でも、RSウイルスは冬季を中心に、最近では夏の終わりから春先まで多くみられ、とくに2歳未満で重症化するので問題になります。
 非定型菌の代表であるマイコプラズマの感染症は幼児以降、小中学生にも多く、しばしば大きな流行をみます。
 典型的には肺炎をきたし、症状経過が長いのが特徴です。
 これらの気道感染症においては、しばしば中耳炎の合併を認め、耳鼻いんこう科との連携も重要です。
 当院では、これらの呼吸器感染症での入院に対し、クリニカルパスを用いて症状経過の観察・評価に努めています。

喘息
 小児の喘息入院は、以前に比べると減少していますが、好発期の発作や感冒契機の発作で入院になるケースはよくあります。
 当院では、呼吸器クリニカルパスを用いて、症状の観察・評価をわかりやすくし、適切な時機に退院できるよう努めています。
 喘息は、急性期の発作だけでなく、ふだんの管理(長期管理)が大切です。成人と共通する部分もありますが、小児特有の対応も必要であり、近隣のクリニックとも連携しつつ、当院の外来でも多くの子供達をフォローしています。

熱性けいれん
 小児、とくに未就学児では、発熱時にけいれんを起こすことがあります。10人から15人に一人といった頻度です。
 とくに、突発性発疹症、インフルエンザ、夏に流行するヘルパンギーナ、ロタウイルス腸炎、などで起こりやすい印象をうけます。けいれんはふつう5分以内に治まります。けいれんを起こした場合、基本的に病院を受診すべきです。
 何回も起こす場合は、脳波検査を行い、ジアゼパム坐薬(ダイアップ坐薬)での予防の対象となります。
 アレルギー症状に用いられる抗ヒスタミン剤はけいれんを起こしやすくするので注意が必要です。
 とくに古くからある抗ヒスタミン剤がいけません。市販の感冒薬はとくに危険で、周知されるべきものです。
 医師によってかぜ薬といわれて処方される薬の中にも抗ヒスタミン剤が含まれる場合があります。

ウイルス性腸炎
 主に冬から春にかけて、ウイルス性腸炎が流行します。
 以前はロタウイルスによる重症の腸炎が多かったのですが、ロタウイルスワクチンの普及により激減しました。
 一方で、ノロウイルス、サポウイルスによるものは依然として多く、病院の待合室・保育園・幼稚園・学校・商業施設などで容易に拡散します。待合室での拡散を減らす努力をしていますが、なかなか困難です。
 ウイルス性腸炎は、突然の嘔吐から始まるのがふつうで、嘔吐は半日から一日持続します。
 治療薬はなく、ORS(経口補水液)などを少しずつのみながら、やり過ごすよりありませんが、脱水が著しい場合や低血糖が疑われる場合は、点滴補液が必要になります。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 62 5.56 4.96 0.00 66.50
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 39 5.67 5.49 0.00 30.82
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 31 4.68 4.28 0.00 57.23
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 18.58 15.30 0.00 73.23
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 26 6.19 6.52 0.00 60.00
 鼠径ヘルニア手術は65件(両側は2件にカウント)あり、半数の32件に腹腔鏡下の鼠径ヘルニア手術を行っています。開腹手術の既往がある方や、再発ヘルニア手術の場合には従来のヘルニア手術(前方アプローチ)を行っています。在院日数は腹腔鏡下手術で短くなっています。
 急性虫垂炎手術症例は49例で、小児11例、成人38例でした。虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎手術症例のうち4例で腹腔鏡下の手術を行っています。
 乳癌手術全症例は36例で、乳房温存手術は14例(38.9%)でした。高齢者の多い地域で、温存手術を望まれなかったり、温存手術の適応とならない進行癌が多いためです。
 直腸を含む大腸悪性腫瘍は57例あり、結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)は39例でした。結腸癌手術症例のうち腹腔鏡下手術は10例でした。
 腹腔鏡下胆嚢摘出術は患者の負担が小さい手術であり、予定手術、発症早期の胆嚢炎症例に対して積極的に行っています。昨年度は46例に施行しています。炎症の高度な胆嚢炎症例や、開腹手術の既往、ご高齢で合併症の多い症例に対しては開腹手術を行っており、昨年度は32例ありました。    
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 108 25.42 26.30 75.93 85.52
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 40 4.73 5.68 7.50 64.38
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 38 23.03 24.26 2.63 74.68
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 28 14.07 18.92 0.00 64.57
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 25 16.52 19.61 52.00 81.00
 1つ目は大腿骨頚部骨折に代表される股関節や肩関節周囲での骨折で、2つ目は橈骨遠位端骨折など前腕での骨折のうち入院手術を要したものです。整形外科では骨関節・脊椎などの外傷、変性、腫瘍等、広範囲の運動器疾患を取り扱いますが、中でも上下肢の骨折が多くなっています。ギプス固定など保存的治療も行いますが、入院に限ると手術治療が多くなっています。年齢は高齢化しており、骨粗鬆症も大きくかかわっています。特に下肢で顕著で入院期間も長く、社会復帰にはさらに長期間のリハビリを要すため地域の医療機関と連携し、転院での治療継続が多くなっています。
 今後は骨粗鬆症の予防、治療に目をむけていかなければ、これらの骨折は増加の一途となります。
 3つ目は変形性膝関節症など膝関節の障害のため手術を要したもので、加齢によるものが大半で人工関節置換術が多くを占めています。内臓疾患の予防・治療の進歩から活動性の高い高齢者が増加していますが、関節機能がついてゆけず今後も手術の増加が予想されます。IPS細胞など再生医療の進歩が待たれるところではありますが、現時点では人工膝関節手術は成績良好で長期に安定した手術といえます。
 4つ目は膝前十字靭帯断裂、アキレス腱断裂など靭帯・腱・筋組織の損傷により手術を要したものです。スポーツ障害や事故などによるものが多く年齢も比較的若く、全例自宅へ退院しており、通院でのリハビリ継続が多くなっています。
 5つ目は胸椎、腰椎など背骨に骨折をきたし入院し、コルセットの装着やリハビリなど手術以外の治療を行ったものです。もちろん、破壊の強いもの、骨癒合を得られないもの、麻痺をきたしているものやその危険性の高いものでは手術も行っています。最近は転落などの外傷よりも骨粗鬆症に伴うものが多く、軽微な外傷や特にきっかけのない骨折が増えています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 12 4.42 5.37 0.00 26.08
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 10 3.50 4.86 0.00 53.20
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 3.15
080220xx97xxxx エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害 手術あり 6.96
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 12.51
 外傷をはじめ、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 21 12.48 11.80 14.29 81.33
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 20 16.05 18.72 55.00 72.25
010040x199x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 19.42 21.23 84.21 76.63
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 19 16.84 16.18 52.63 70.05
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 18 11.50 7.35 22.22 76.72
 診断群分類別に見ると、脳神経外科ではNo.1の非外傷性硬膜下血腫(慢性硬膜下血腫)やNo.2、No.3の非外傷性頭蓋内血腫の症例が多くなります。引き続きNo.4の脳梗塞やNo.5の頭蓋内損傷が並びます。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 26 12.27 11.87 0.00 70.27
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 10.08
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1なし 8.68
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 10.36
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 14.58
 肺疾患、甲状腺疾患全般の手術を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 29 3.76 2.85 0.00 67.90
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 2.27 8.75 0.00 56.07
050180xx99xx0x 静脈・リンパ管疾患 手術なし 副傷病なし 13.73
050161xx9901xx 解離性大動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 22.66
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 12.51
 閉塞性動脈硬化症では足の虚血により歩行時の足の痛みや進行すると足の壊死などをきたします。薬など保存的治療でも改善しない場合は血管内治療やバイパス手術などが行われます。壊死部が感染した場合は、デブリドマンや抗生剤投与が行われます。
 腎不全では血液透析が必要となります。そのため血管ルートとして内シャント作成術が行われます。
 大動脈瘤では人工血管置換術が行われます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 50 9.38 9.70 2.00 33.92
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 45 5.69 6.28 0.00 46.53
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 42 6.93 6.16 0.00 43.55
120150xx99xxxx 妊娠早期の出血 手術なし 33 10.06 11.83 0.00 30.52
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 28 2.04 3.20 0.00 41.32
 当科は新川医療圏の基幹病院として、また、周産期母子医療センターとして地域産婦人科との強い連携のもとに成り立っています。手術目的の紹介患者さんも増加傾向にあります。良性疾患(子宮筋腫や良性卵巣腫瘍等)に対しては内視鏡下手術の方針としており、在院日数の短縮化に寄与しています。内視鏡手術はクリニカルパスに基づいた術後管理を行っているため、パスを短縮させることにより、さらなる在院日数短縮化が可能と考えています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 346 2.97 2.84 0.00 75.96
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 23 6.43 7.05 0.00 71.00
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼 7.52
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 6.55
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 6.16
 白内障手術は2泊3日で手術を行っています。
 硝子体手術は1週間程入院して、経過が良ければ退院となります。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 47 5.79 7.27 0.00 49.85
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 47 2.45 3.17 0.00 5.40
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 36 3.89 5.43 2.78 39.81
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 30 5.40 7.04 0.00 61.40
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 30 8.10 7.89 0.00 21.60
 耳鼻いんこう科の対応する疾患は耳、鼻、副鼻腔(ふくびくう)、のど、頸部(くび)、唾液腺(耳下腺や顎下腺)、甲状腺と多岐にわたり、手術の患者さんや、点滴などの手術以外の治療(保存的加療とよびます)を要する患者さんなど様々な病態の方の診察と治療をおこなっています。その中でも当院は入院治療を要する急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、喉頭浮腫などの急性気道感染症の方々や、主に0歳から2歳頃までの免疫機能が未熟な乳幼児が、急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎のお子さん達、副鼻腔炎の方々などが多く来院され、集計上、このような方々への入院治療が入院患者の上位を占めていました。そのほか突然片方の耳の聞こえが悪くなる突発性難聴や顔面神経麻痺などの点滴を中心とした治療や、甲状腺、唾液腺、喉頭下咽頭の手術などをおこなっています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 28 11.93 16.18 39.29 74.93
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 11 12.36 18.22 54.55 79.36
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 7.28
010155xxxxx20x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等22あり 副傷病なし 16.35
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 副傷病なし 16.16
 脳梗塞の急性期治療(発症4.5時間以内であればtPA療法も検討します)を行うとともに、発症早期(遅くとも入院2日目まで)からリハビリテーションを行います。急性期治療は1週間程度で終了しますが麻痺が残る場合が多く、地域医療連携室スタッフが関わり急性期治療終了後速やかにリハビリテーションを専門に行う回復期病院へ移れるように連携を図っています。糖尿病などの基礎疾患がある場合には、基礎疾患の治療・管理のために若干入院期間が延びる傾向にあります。
てんかんの診療は通常外来で薬物療法を行いますが、意識障害を伴う発作を起こして救急搬送された場合には経過観察のため1~2日入院していただきます。自動車運転の可否についての判断も行います。
現在の医療では根治療法のない筋萎縮性側索硬化症ですが、ラジカット点滴治療による行うことで進行を遅らせる症例もあり、対象患者に対して治療を行っています。また在宅人工呼吸器療養の支援も行っており、訪問診療や家族の介護負担軽減のためのレスパイト入院を行っています。
 再発を繰り返しやすい多発性硬化症や慢性炎症性脱髄性多発神経炎などに対しては、ステロイド療法以外に免疫グロブリン療法や血漿交換なども積極的に行って症状の回復を図っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 54 8.00 8.98 1.85 73.96
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 46 9.59 12.51 4.35 66.65
080190xxxxxxxx 脱毛症 10 3.00 3.52 0.00 40.40
080090xxxxxxxx 紅斑症 10.07
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 19.01
 一般的な急性期病院の皮膚科入院患者の約8割は、帯状疱疹と急性膿皮症(蜂窩織炎・丹毒など)であり、これは当院・他院とも変わりません。そこで当院ではクリニカルパスを導入し、入院期間の短縮を図っております。重症患者の一部を除き、約9割の患者さんはパスの設定(帯状疱疹:8日間、蜂窩織炎・丹毒:9日間)された通りに退院しており、全国平均より平均在院日数が少なくなっております。
 また脱毛症(円形脱毛症:30日間)に関してもパスを導入し、全患者が副作用なしで退院できているため、こちらも全国平均より平均在院日数が少なくなっております。
 紅斑症に関しては、全身症状を伴う重症の多形紅斑、結節性紅斑が多かったこともあり、平均在院日数が全国平均よりもやや長くなったものと考えられます。
 当科に入院する敗血症は、急性膿皮症(蜂窩織炎・丹毒、ガス壊疽、壊死性筋膜炎)の重症患者に合併したものであり、原因もA群溶連菌やG群溶連菌など比較的強力な細菌でしたが、当初から強力な抗生剤を多剤併用したため、全国平均より平均在院日数が短くなっております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 55 2.04 2.53 0.00 72.18
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1なし 副傷病なし 47 2.62 2.72 0.00 56.45
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 38 11.42 7.20 0.00 72.55
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 18 10.50 8.65 0.00 74.56
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし 13 6.08 7.13 0.00 77.46
 泌尿器科では前立腺癌の有無を調べる前立腺生検を多く行っています。また尿路結石治療も多く行っていますが、体外衝撃波の結石破砕装置はドイツのシーメンス社製で、結石を細かく破砕できるという特性があります。また膀胱腫瘍の治療は主に全身麻酔下での内視鏡を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。初診で肉眼的血尿があり、膀胱腫瘍が疑われる場合、放射線科、麻酔科と連携し、即日CT検査を行い、そのまま同日手術を行う場合もあり、早期の対応を目指しています。さらに膀胱癌や腎盂尿管癌で転移をきたし、手術が困難な場合は抗癌剤による点滴治療を行う場合がありますが、患者さんが希望されれば状況に応じて通院治療室を利用する外来通院治療も行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 41 12 7 18 20 29 1 7,8
大腸癌 19 13 23 34 49 34 1 7,8
乳癌 25 28 9 16 7 11 1 7,8
肺癌 15 8 14 39 36 88 1 7,8
肝癌 4 4 5 2 10 49 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 胃癌は内視鏡検診受診者が増加しており、Stage Ⅰ症例が多くなっています。一方、高齢者の多い地域であるため、検診未受診の高齢者に進行癌を多く認めます。
 大腸癌罹患患者数は食生活の欧米化に伴い増加しています。しかし高齢者の多いこの地域では検診未受診、あるいは2次検診の大腸内視鏡検査未施行者が多いため、進行して発見される症例が多く見られます。直腸癌に関しては、自然肛門温存・骨盤内再発低減を目的に、術前に化学放射線療法を行っています。
 乳癌患者に対してはできる限り温存手術を心がけています。また全摘後の患者で乳房再建を希望される方には、形成外科医の協力をいただき2期的再建術を行っています。
 肺癌症例は、手術適応のある患者に対してはほぼ全例に胸腔鏡下手術を行っています。しかし進行した肺癌症例が多く、新薬を用いた化学療法、放射線治療を行っている患者が多いのが現状です。
 肝臓癌は多発病巣を有する患者が多く、手術よりもRFA、TACEの適応となる症例が当院では増加しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 23 9.13 54.17
中等症 125 17.64 81.30
重症 18 20.56 84.00
超重症
不明
 市中肺炎は高齢者ほど重症化しやすく、入院は長くなります。軽症の若年者は外来で治療します。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 150 20.30 76.35 45.96
その他 11 24.64 80.09 4.35
 脳梗塞は通常は突然に麻痺や言語障害が生じる疾患です。高齢者に多くほとんどが発症してすぐあるいは軽い方でも3日以内に入院されます。しかし発症時の症状が極めて軽く徐々に進行する場合があるために3日を過ぎて受診されることがあります。いずれも急性期リハビリテーションを3週間程度行い、その後は亜急性期のリハビリ病院へ転院となっております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 121 1.89 2.07 0.00 74.61
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 57 1.72 20.61 5.26 81.05
K654 内視鏡的消化管止血術 50 1.44 15.46 8.00 72.90
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 38 5.42 15.45 5.26 66.53
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 35 4.29 12.77 0.00 75.29
 がん罹患数の第1位、第2位である大腸癌、胃癌、そして大腸や胃のポリープ(イボのように隆起したもの)に対応して内視鏡治療を行なっています。内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)を用いて癌やポリープを観察し、必要に応じて切除・摘出を行ないます。
 潰瘍、憩室出血などから消化管出血を生じている場合は、内視鏡を用いて緊急で止血術を行ないます。
 胆管癌や総胆管結石などによって閉塞性黄疸を生じることがあります。その診断のためにERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や、プラスチックステントやメタリックステント留置によるドレナージ(貯留した胆汁を排出すること)処置を行なっています。
 肝細胞癌の治療として、肝臓全体や肝細胞癌の状態を考慮しながら、肝動脈塞栓術やラジオ波焼灼術による治療を行います。

 進行した慢性腎不全に対して血液透析を行う場合、上肢の動脈と静脈を吻合する手術を行い、内シャントを作成します。血流の豊富な内シャントに針を刺して、脱血し、透析機器に通すことによって毒素や余分な水分を除去します。内シャントの内腔が狭くなると、血流が十分に得られなくなり、透析の効率も不十分になるため、経皮的シャント拡張術・血栓除去術で治療します。当院では、超音波検査にてシャントの狭窄を確認したのち、一泊入院して、血管撮影室で、手術に準じた清潔な環境で放射線科専門医によりカテーテル治療をしています。シャント血管に造影剤を注入し、狭窄している部位を確認します。次に、先端にバルーン(風船)がついたカテーテルという管を挿入し、狭窄病変でバルーンを拡張することによって治療します。翌日、透析を行い、血流が回復していれば退院となります。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K300 鼓膜切開術 35 1.09 2.54 0.00 1.34
K626-2 リンパ節膿瘍切開術
K0452 骨折経皮的鋼線刺入固定術(前腕,下腿)
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度)
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度)
鼓膜切開術
 上気道炎や気管支炎の経過中に中耳炎を合併し、耳鼻いんこう科で切開術を施行されるケースがあります。
 外来のみならず入院中も、耳鼻いんこう科との連携を大切にしています。

リンパ節膿瘍切開術
 小児のリンパ節腫脹は、様々な疾患でみられます。多くは各々の疾患に特徴的なリンパ節腫脹です。
 リンパ節腫脹が膿瘍によるものであるケースが時々あり、抗菌薬による治療で改善が見込めない場合、耳鼻いんこう科へ切開排膿を依頼することがあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 48 1.63 4.69 0.00 61.46
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 35 0.17 4.31 0.00 30.66
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 31 1.06 3.16 0.00 64.26
K6335 鼠径ヘルニア手術 30 1.27 3.77 0.00 68.33
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 30 7.97 15.50 0.00 73.77
 腹腔鏡下胆嚢摘出術は患者の負担が小さい手術であり、予定手術、発症早期の胆嚢炎症例に対して積極的に行っています。炎症の高度な胆嚢炎症例や、開腹手術の既往、ご高齢で合併症の多い症例に対しては開腹手術を行っており、昨年度は32例ありました。
 急性虫垂炎手術症例は49例で、小児11例、成人38例でした。虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎手術症例は35例で、うち4例で腹腔鏡下の手術を行っています。
 鼠径ヘルニア手術は65件(両側は2件にカウント)あり、半数は腹腔鏡下の鼠径ヘルニア手術を行っています。開腹手術の既往がある方や、再発ヘルニア手術の場合には従来のヘルニア手術(前方アプローチ)を行っています。在院日数は腹腔鏡下手術で短くなっています。
 直腸を含む大腸悪性腫瘍は57例あり、結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)は30例でした。結腸癌手術症例のうち腹腔鏡下手術は10例でした。   
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 94 2.01 21.48 59.57 80.34
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 68 1.47 10.97 10.29 61.44
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 58 1.40 20.64 10.34 73.48
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 32 3.72 20.31 84.38 81.59
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 27 1.11 12.41 0.00 65.19
 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)は体幹に近い部位で、骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨)は遠い部分での骨折に対する手術で早期離床・社会復帰、機能回復などを目的に行っています。全身状態にもよりますができるだけ早期に手術を行いリハビリを開始します。多発外傷や合併症の併発などにより入院期間が長くなったり、転院でのリハビリを要す場合もあります。特に骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)の代表的な手術は高齢者の大腿骨頚部骨折で平均年齢も高く地域全体の医療・療養機関と連携して治療を行っており転院が多くなっています。
 人工関節置換術(肩,股,膝)と人工骨頭挿入術(肩,股)は人工関節の置換術ですが、人工関節置換術(肩,股,膝)の多くは加齢や外傷後の変形などの徐々に増悪する関節障害に対して、関節全体を取り換えるものです。入院前に十分な術前検査を行い、入院後はクリニカルパスに沿ってほとんど同様の治療経過となります。術前に機能障害の著しい人は転院でのリハビリを継続していますが、大部分は自宅に退院されています。一方、人工骨頭挿入術(肩,股)は大腿骨や上腕骨の近位部での骨折で正常な骨癒合を得にくい場合に行われることが多く、そのため高齢者が主で転院での治療継続も多くなっています。
 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単)は加齢や外傷により肩関節の腱板という複数腱の集まりが完全あるいは部分的に断裂したもので急性に起こる場合もあれば徐々に発症することもあります。機能障害が強い場合や頑固な疼痛が続く場合は関節鏡を用いて腱板の修復を行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K0081 腋臭症手術(皮弁法)
 顔面骨の骨折で最も多いのが鼻骨骨折です。全身麻酔で手術を行い、術後は1~2日程度で退院できます。
 また皮膚、皮下腫瘍、皮膚の悪性腫瘍などに対しても手術を行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 22 0.55 11.09 13.64 81.27
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 14 2.86 32.86 50.00 68.79
K1781 脳血管内手術(1箇所)
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、脳神経外科で最も多い手術です。高齢者に多い疾患で軽い頭部外傷の2−3ヶ月後に発症し麻痺や意識障害を起こします。局所麻酔で手術を行うことで、ほとんどの患者さんの症状が改善し自宅や元の施設へ戻って行かれます。脳動脈瘤頸部クリッピングは、くも膜下出血を起こした患者さんの脳動脈瘤に行う手術です。術後に遅発性脳血管攣縮や水頭症の併発が起こりやすく、4週間程度の入院の後、約半数の方はリハビリ病院へ転院されています。脳血管内手術とは、破裂・未破裂いずれの脳動脈瘤にも行なっている治療法です。カテーテルを用いて血管の中から脳動脈瘤の内部をプラチナコイルで塞栓する方法です。経皮的頚動脈ステント留置術とは、動脈硬化で細くなった内頚動脈に対し脳梗塞の予防のため、バルーンで膨らませた後、メッシュ状のステントを血管内において再狭窄しないような治療です。頭蓋内腫瘍摘出術とは、脳腫瘍の手術ですが本年度から手術ナビゲーターを導入し安全確実な手術ができるようになりました。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 17 1.35 18.65 5.88 70.88
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除))
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ)
K504-2 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術
肺悪性腫瘍、良性腫瘍ともにほとんどの手術を胸腔鏡下(内視鏡下)で行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 20 0.00 1.25 0.00 61.15
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) 20 0.05 1.55 0.00 68.05
K6173 下肢静脈瘤手術(高位結紮術)
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈)
K6082 動脈塞栓除去術(その他のもの(観血的なもの))
 下肢静脈瘤では進行すると皮膚炎や色素沈着、皮膚潰瘍などをきたします。圧迫療法などに加えて必要であれば抜去切除術や高位結紮術が行われます。
 閉塞性動脈硬化症では薬など保存的療法でも改善しない場合は血管内治療やバイパス手術などが行われます。
 腎不全では血液透析が必要となります。そのための血管ルートとして内シャント作成術が行われます。
 大動脈瘤では人工血管置換術が行われます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 55 0.82 3.76 0.00 44.47
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 40 3.38 6.73 2.50 33.85
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 39 2.08 6.87 5.13 32.44
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 33 1.00 5.27 0.00 46.48
K867 子宮頸部(腟部)切除術 27 0.00 1.04 0.00 41.07
 当科は新川医療圏の基幹病院として、また、周産期母子医療センターとして地域産婦人科との強い連携のもとに成り立っています。手術目的の紹介患者さんも増加傾向にあります。良性疾患(子宮筋腫や良性卵巣腫瘍等)に対しては内視鏡下手術の方針としており、在院日数の短縮化に寄与しています。内視鏡手術はクリニカルパスに基づいた術後管理を行っているため、パスを短縮させることにより、さらなる在院日数短縮化が可能と考えています。また、ハイリスク妊娠やハイリスク分娩の受け入れも断ることなく行っているため、帝王切開数は漸増してきています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 347 0.00 1.97 0.00 75.94
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 35 2.66 2.86 0.00 73.00
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他)
K279 硝子体切除術
 白内障は加齢に伴い水晶体に濁りが出る病気です。水晶体再建術は濁った水晶体を取り除いて人工のレンズを入れる手術です。
 硝子体手術は黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病黄斑浮腫などによる視力低下を改善させる目的で手術します。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 56 0.45 1.46 0.00 7.30
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 39 0.03 3.77 0.00 48.05
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 39 0.74 7.18 0.00 28.36
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 18 0.44 3.78 0.00 63.89
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 14 0.79 4.29 0.00 62.00
 耳鼻いんこう科では、耳・鼻・のど・頸部(くび)・唾液腺(耳下腺や顎下腺)など眼の下から胸の上までの領域について、内科的加療(点滴など)から外科的治療(手術など)まで、様々な病態の方の診察と治療をおこなっています。手術については主に0歳から2歳頃までの免疫機能が未熟なお子さんにおける急性中耳炎を反復する症例(反復性中耳炎)が多く来院され、難治性の反復性中耳炎のお子さんに対する鼓膜チューブ挿入術や、急性扁桃炎がさらに進行し重症化した扁桃周囲膿瘍の方々への手術が占める割合が高い傾向にありました。また鼻や副鼻腔(ふくびくう)や耳やのどの手術はもちろんですが、甲状腺(こうじょうせん)、唾液腺、喉頭(こうとう)、下咽頭(かいんとう)に対する手術も主に当科でおこなっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 46 0.33 1.22 0.00 56.78
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 44 2.16 16.66 4.55 74.43
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 27 2.15 7.56 7.41 74.70
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 17 2.12 9.71 0.00 74.47
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 14 2.21 9.07 0.00 68.00
 泌尿器科の手術は対外衝撃波結石破砕術が多く、クリニカルパスを用い1泊2日の入院で行っています。入院当日に治療を行い、翌日に退院しています。膀胱腫瘍に対しては、内視鏡を用いた経尿道的手術を多く実施しています。また腫瘍や結石により尿管が閉塞し、水腎症をきたした場合、尿管にステントと呼ばれる2-3mm程度のシリコンのカテーテルを留置し、バイパスのように用いる処置を行っています。こちらの治療時間は約30分程度です。また、前立腺肥大症に対し、薬物療法で十分な効果が得られない場合は内視鏡で前立腺を切除する手術を行っています。腎、尿管結石に対して、内視鏡で結石を見ながらレーザーを用いて砕石、除去する手術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 21 0.26
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 46 0.57
異なる
 厚生労働省による平成29年度DPC対象病院全国平均は,上から順に,播種性血管内凝固症候群 0.16%、敗血症 0.57%、その他の真菌症 0.04%です。手術・処置等の合併症 0.76%です。当院は、播種性血管内凝固症候群、敗血症、手術・処置等の合併症は全国平均を下回っています。その他の真菌症は全国平均とほぼ同等です。治療に関しては、学会のガイドライン等を参照して、適切な薬剤の使用を心がけています。
更新履歴
2019年9月25日
平成30年度病院指標を公開しました。