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盛田真弘医師

平成26年12月22日-平成27年1月26日

 2014年12月22日より1月26日まで5週間アメリカに滞在し、Medical Center of Central Georgia(以下MCCG)で研修を行ってきましたのでご報告させて頂きます。MCCGでは主にFamily medicine、ERを中心に研修を行ったほか、最終週には消化器内科、神経内科での研修も行わせて頂きました。
 始めの1週間はERで研修を行いました。MCCGのERでは常時医師が2-3人勤務しています。基本的な診療や簡単な処方をできるナースプラクティショナ―(以下NP)という職種がありトリアージ等を行っていました。こちらではインフルや骨折、刺創や心不全、肺炎といった疾患をみさせていただきました。この時期はクリスマスとあって職員や看護師がサンタの帽子を被って仕事をしていたことが印象的でした。
 続いてFamily Medicineにて前半は外来、後半は病棟にて研修させていただきました。MCCGでは各科の外来はそれぞれ病院外の別の場所にある診療所で診療業務を行っております。続いてFamily medicineの診療所であるHealth Care CenterにてMCCGの研修医(レジデント)や指導医(アテンディングドクター)らとともに患者の診察、ディスカッション等をさせていただきました。Family medicineでは内科疾患だけでなく、(全てではないですが)小児、産婦人科、整形疾患も診られていました。具体的には、インフル・尿路感染・DM・肺炎・捻挫・性感染症・副鼻腔炎・銃創後のケア・小児の皮疹などでした。中でも糖尿病患者は多くHbA1c14といったコントロール不良な症例も認めました。銃創の患者は傷痕が痛ましく、脊髄損傷による下肢麻痺をきたしており銃社会の恐ろしさを感じました。また、マリファナやコカイン使用歴のある患者も珍しくなく、薬物歴の聴取は必ずされているのが印象的でした。MCCGではFamily Medicineだけでも25人ほどの研修医がおり一緒に行動を共にすることも多かったのですが、研修医も一般外来を行っており、すべての症例に関してその日の指導医にコンサルトを行っていました。外来のスタイルとしては一人の医師に対して診察室が3つほどあり、患者がそれぞれの部屋で待ち医師が部屋を回って診察するスタイルでした。基本的な診療や治療方針に関しては大きな違いはないと思いましたが、日本では未承認の皮下に入れるタイプの避妊具(Nexplaton)や錠剤、軟膏なども散見されました。病棟業務は指導医の下に研修医が2人ほどついてチームを偏性しており、軽症から敗血症、人工呼吸器管理の重症まで幅広く診ているようでした。すべての部屋が個室であり、医師と患者が話すときはドアを閉めるなどプライバシーへの配慮が徹底されていました。意外だったのが日本と違い通常業務でマスクをしている医療者がほとんどおらず、インフル患者などに接するときなどに限定されていました。
 消化器内科では内視鏡を主に見学させていただきました。以前から耳にはしていたのですが、アメリカでは内視鏡全例に麻酔による鎮静を行っているようです。日本では、鎮静が必要な症例にはもちろん使用しますがスクリーニングの上部消化管内視鏡や下部内視鏡では鎮静剤を使わないことの方が多いのです。消化器内科の先生はご存知でしたが、他科の先生には「日本人は鎮静をかけないのか?なんて強い国民なんだ」と驚愕されました。やはり日本人は忍耐強いのでしょう。内視鏡技術に関しては日本人がさまざまな方法を開発してるとあって、あちらの消化器内科の医師もJapanese do good workとおっしゃっていました。
 またNeurologyではDr.Margaret Boltjaの下でお世話になりました。症例は認知症や、パーキンソン病、重症筋無力症疑いや、頭痛(多い!)、手足のしびれなどでした。Dr.Boltja の神経診察は一連の動作が流れるようにスマートで大変勉強になりました。
 また少しではありますがDr.Paul Turkの下で術前診察にご一緒させていただきました。Presurgical roomというものがあり、術前のCV挿入やA-lineの確保はこちらで麻酔科医が行っていました。CV手技は5分程度で終了していました。ちなみにCVセットは本穿刺針の中心にガイドワイヤーが通せるタイプのものであり、CV固定も直線状の針に糸がついたものを使用していました。
 また、実習を通してアメリカの医療体制についても学ぶことができました。アメリカでは国民皆保険ではないので先生方がどのような種類のメディケアに患者が加入しているかを確認しているのが印象に残っています。また、専門科による分業が顕著であり、日本のように一人の医師がさまざまな手技や読影等を行ってはいませんでした。診療をサポートする様々な職種といったマンパワーが多いのに加えて、ICUの個室などでは体位変換用のクレーンが設置されていたり、病棟廊下の至る所に収納式の電子カルテがあったり、カルテを音声入力できたり、Dictation serviceがあったりと色々と便利なシステムが見受けられました。
 余暇についてもクリスマスイブやクリスマスにはDr. Paul TurkやDr. Upshawが、城のような家に招いてくださり美味しい料理をいただきセレブのような時間を過ごさせていただきました。また、病院スタッフの方にアメリカンフードやアメリカ映画に連れていただきました。また、お忙しい中、Dr. Blackwood夫妻(結婚されました!)にも夕食をごちそうになりました。また週末にはアトランタ観光、年越しはモニュメントバレーで過ごさせていただきました。
 今回の研修では非常に多くのことを感じ、学ぶことができました。以前黒部に来られた先生方にお世話になることも多く、大変親切にしていただきました。これまでの黒部とMCCGの交流の恩恵をうけているなと感謝しております。このような素晴らしい研修の機会を与えてくださった黒部市民病院の方々、MCCGの方々、YKKの方々、本当にありがとうございました。


 
with Dr.Turk family (左)、with_Dr_and_Mrs_Blackwood (右)

 
with Dr.Boltja(左)、with Dr.Girton(右)

 
horse shoe bendにて(左)、monument volleyにて(右)





黒部市民病院

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