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谷真智子医師

平成26年9月28日-平成26年10月24日  

 私は米国ジョージア州メーコンにあるMCCG(Medical Central Center of Georgia)で2014年9月28日から10月24日までの4週間留学をさせて頂きました。まずはこのような貴重な機会を与えて下さった関係者の方々に心より感謝いたします。米国で過ごした時間で得られた事や忘れたくない事は数知れず、できる限り文章に残せたらと思います。

○研修について

《感染症》
第1週目はDr. KatnerとDr. Kumarのご指導のもと、感染症科を見学しました。Stevens-Johnson症候群やBrucella症、梅毒、HIV感染症等、日本では稀な疾患をいくつも見ることができました。特にHIVはそれだけでクリニックが成立するほど多くの方が罹患されていました。Dr. Katnerは“Poor people are easy to be infected, and also infection makes patient poor.”と言っていましたが、事実感染症科に診療に来る方々は政府の援助を受けている方や複雑な家庭環境の方、病気の影響で仕事に就けない方等様々な問題を抱えておられました。また米国では所得や収入の差によって保険が異なり、保険に入れない方のためのイノセントクリニック(主にレジデントが診察する無料の病院)も存在します。収入による医療提供格差が日本よりも遙かに大きく、皆保険制度の有難さを実感しました。
また、現在世界規模の問題となっているエボラ出血熱に関しては、私の米国滞在中に米国初の死者が出ました。さらに西アフリカから帰国した米国人医師がNYで同疾患を発症し、丁度その時に私はNY観光をしていました。直接の接触があったか否かは誰にもわからず、今後発症する可能性もあり、パンデミックの恐怖を垣間見たような気がしました。
《神経内科》
 第2、3週目はDr. Boltjaのもとで神経内科のクリニックを見学させていただきました。驚くほど女性の頭痛と四肢のしびれが多く内容は日本と類似していましたが、診察は患者さんとの対話が中心のため沢山の英語に触れることができました。患者さん達は笑顔も声も大きくパワフルで、目をじっと見つめて話すため、何度も吸い込まれそうになりました。最後には必ず「あなたとっても素敵ね!会えて嬉しかったわ!」と言って下さり、彼女らにとっては普段通りの対応なのでしょうが、その元気で心温まるアメリカンな対応に慣れてない私には非常に嬉しいものでした。診察以外でも物凄く気さくに話しかけてくれる米国人の社交性は本当に見習いたいです。また嬉しいことに日本人は若く見られるらしく私も何度も少女に間違えられ、将来ここに来ればまた若者として生きられるなと感じました。
《小児科》
第4週目はDr. Narsinghaniのもとで小児ICUの化学療法前やMRI前のsedationを中心に見学させて頂きました。sedationには毎回プロポフォール・ミダゾラム・フェンタニルを併用していました。日本の某大学病院でプロポフォール過剰投与による小児の死亡事故が起きて以来、私はプロポフォールの小児への投与に多少の抵抗を感じておりましたが、Dr. Narsinghani は非常にsedation経験豊富で、年間数百名の小児のsedationをし、ほぼ毎回同薬を使用しているが死亡事故は一例もなかったとおっしゃっており、長年の経験をもとに適切な使用法を教えて下さいました。
また空いている時間には日本とアメリカの医師になる課程の違いや文化の違い等様々な事を教えて下さいました。日本では高校卒業後8年で専門に入れますが、アメリカでは最低でも11年、外科系だと13年以上かかります。また海外の医学部を卒業し研修を経た後でもアメリカで医師として働く場合は、本来medical schoolで受けるはずのUSMLE3段階をパスし、レジデンスからもう一度始めなればならないとのことでした。かかる時間も試験数も多く、日本等多言語地域から行く場合は当然言語の壁も立ちはだかります。生半可な気持ちでは難しいだろうと感じました。しかし、仲良くなった先生方の出身地は様々で、インドや中国、ペルー、フィリピン等々...この方々はその壁を乗り越えて今働かれているのだと思うと尊敬の念を感じずにはいられませんでした。

○平日の夜と週末

 第一週目の夜は辻先生や李先生、加藤看護部長さん、沢井さんご夫妻、西村さん、ジェシカさん、冨居さんと共に毎晩お招きいただいた歓迎会に参加させて頂きました。どれも普段の生活とはかけ離れた貴族のようなパーティーで、非常に貴重な経験をすることが出来ました。特に楽しかったのはDr. Turk家のホームパーティーで、プール付き大豪邸でしたが堅苦しくなく、美味しい料理を沢山食べ、皆のお気に入りの赤ワインを堪能し、英語で会話を楽しみ、ピアノを弾いて歌い...思い出しただけでも幸せな気分になるひと時でした。
 週末は、一週目はフロリダのディズニーワールドに遊びに行きました。人気アトラクション含め大抵5分ほどで乗れて、素敵なショーも一番前から間近で見ることができ、大大興奮でした。二週目はDr. Narsinghaniの姪であるRheaちゃんのお宅を訪問しました。両親共に医師である彼女の家はまた大豪邸で夢に描いたようなリッチな生活をされていました。宿泊までさせて頂き「もう二度とこんな暮らしは味わえないだろう」という思いを噛みしめながら夢のような生活を堪能してきました。第三週目は共に研修している仲間と3人でNYへ。大好きな映画の舞台であったこともあり何気ない景色の一つ一つに大感動で映画の中に入ったような気分でした。人工物より自然を見る方が好きな私でもタイムズスクエアや100万ドルの夜景を見たときは圧巻で放心状態でした。研修以外の時間でこれほどアメリカを満喫できるとは想像しておらず大満足でした。

本当に今回の留学は将来を考える上で大きな影響を受けましたし、今後二度とできないような貴重な経験をさせて頂き、素敵な出会いも沢山ありました。全ては黒部とメーコンの交流に尽力して下さった方々や指導してくださった先生、関係者の方々のお陰です。本当に感謝してもしきれません。心より御礼申し上げます。


 

一緒に行った米澤先生、看護師の冨居さんと(左)、Dr.Boltja familyと(右)

 
Dr.Turk夫妻と(左)、ディズニーワールドにて(右)

 


黒部市民病院

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