本文へジャンプ

正谷知巳医師

平成24年10月20日-平成24年11月17日

 今回私は2012年10月20日から11月17日までの4週間、米国研修に行かせていただきました。出発前は楽しみである一方、満足に英語を話すことができないにも関わらず、アメリカに1ヵ月滞在するという不安や日本を離れることの寂しさもありました。しかし振り返ってみると、みなさん素敵で優しい方々ばかりで、幸せな気持ちで過ごした4週間でした。

ER

 最初の1週間は、ジョージア中央医療センターのERを見学させていただきました。海外ドラマで見る様な光景が目の前にあり、アメリカでの研修が始まったのだと実感しました。ERに来る患者さんは重症から軽症まで様々で、この点は黒部市民病院と似ているなと感じました。しかしアメリカと日本では仕事の分担が異なっていると感じました。アメリカでは挿管も医師がするのではなくRRTと呼ばれる資格を持った人が行い、医師は挿管後の聴診を確認するだけでした。その他にも日本では医師や看護師がする仕事も、アメリカではさらに細分化されていて、様々な職種の方がいました。また、医学生が縫合を1人でしたり、胸腔ドレーンを留置したり、指導医と熱い討論を行っていたりと、様々なことを積極的に行っている姿にも驚きました。

感染症

 2週目からは感染症で研修させていただきました。感染症に決めた理由は、HIV感染の人に接する機会が日本ではかなり少なく、私は実際に接したことがないということが大きかったです。HIVは世界的な大きな問題であり、この貴重な機会を利用させていただいて、患者さんがどのような症状を持っているのか、どのような治療を行っているのかなど、実際に学ぶことは貴重な経験になると思いました。また感染症という分野はとても大切ですが、日本では感染症という診療科が独立しているところが少ないように思うので、HIV以外にも様々な感染症を学ぶ良い機会になると思い、3週間感染症を選択させていただきました。
 感染症には以前黒部市民病院に来て下さったカートナー先生とクマール先生がおられ、3週間、先生方にはいろいろなことを教えていただいたり、経験させていただいたりして、大変お世話になりました。また体調を気にかけてくださったり、何かもっとやりたいことはないかなどを聞いてくださったりして、その優しさに感謝の気持ちでいっぱいです。
 まず、HIVの患者さんを見たことがないということでいろいろなことを教えていただきましたが、とても驚いたことは、あちらの先生方は倦怠感や下痢の症状でもHIVかどうか検索するということです。アメリカでも地域によって差はあると思いますが、それだけHIVが身近な感染症なのだと感じました。そして実際にHIVの患者さんはとてもたくさんおられ、何も症状のない方から免疫不全状態で末期の方まで、様々な方がおられました。HIV患者さんにとって、ウイルス量や免疫細胞の数がきちんと病気がコントロールされているかどうかの大切な指標となるわけですが、ウイルス量が検出値以下、免疫細胞数が正常だったときの医師と患者さんの喜びを共感する姿に何度も感動させられました。HIVはずっと付き合っていかなくてはいけない病気であり、コントロール不良であると様々な感染症にかかりやすくなり、死にもつながる恐ろしい病気です。最初は診察中に泣いている患者さんもいましたが、先生方がきちんと病気や治療などについて説明し、体をさすったり、手を握ったりしながら患者さんの不安を聞いて、そして取り除いてあげていて、次に診察に来られた時には違う人のようでした。出会った患者さんのほとんどが前向きな印象を受けたのは、先生方との関係が良好なことも大きいと思いました。私も患者さんとこういった関係を築けたらなと思う日々でした。
 また、実際にHIV患者さんに対して問診、診察をさせていただいたこともかけがえのない経験となっています。まさかアメリカで1対1で患者さんを診察する機会はないと思っていたので、初めて患者さんと2人きりで部屋に残った時は何かの冗談かと思い、しばらく硬直状態でした。しかし患者さんがにこやかに話してくださったり、つたない英語にも関わらず理解しようとしてくださったりして、常に緊張はしていましたが、問診・診察だけではなく、日本のことや患者さんの趣味などについても話すことができました。このような機会を与えて下さった先生方や患者さんに本当に感謝しています。

 平日はこのような感じで勉強させていただき、週末は小旅行に出かけたりしていると、4週間はあっという間でした。帰国するときに携帯電話をアメリカに忘れてくるという失態をしてしまいましたが、その時も優しい同期に恵まれ、日本についてから携帯電話の行方に頭を悩ますことはありませんでした。

 アメリカで1ヵ月もの間、臨床の場で勉強させていただく機会はめったにないと思います。このようなかけがえのない貴重な機会を与えていただき、多くの方々に感謝しております。本当にありがとうございました。この米国研修で学んだことを今後に活かせるように頑張っていきたいと思います。


 

Disney Worldにて。(左)、Drs.Narsinghani & Kumarファミリーと。 (右)

 

グランドキャニオンへ週末旅行(左)、Dr.Katnerと。 (右)

 

MCCG(左)、Drs. Dela Cruzと夕食 (右)

黒部市民病院

ページトップへ

ディレクトリーナビゲーション