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上野春菜医師

平成25年10月12日-平成25年11月9日  

 最初に、今回アメリカ研修という大変貴重な機会を与えてくださったことを関係各位に感謝申し上げます。
 私は10月12日~11月9日の1か月間をMCCG(Medical Center of Central Georgia)で研修させていただき、1週目を救急科、2~4週目を感染症科で勉強させていただきました。私見もまざりますが、アメリカでの研修で学んだこと感じたことを記していきたいと思います。

救急科

 救急科は3人の救急医が患者対応するのに加え、救急科をローテートしている研修医や医学生、またPA(Physician Assistant)やNP(Nurse practicionar)も救急医にコンサルトしながら診療を行っていました。PAとNPは日本にはない資格ですが仕事内容はどちらもおおよそ似ていて、医師の指導下であれば患者の診察・検査を行い、処方などもオーダーできるようで、主に外来対応可能な軽症患者の対応を行っていました。PAやNPが軽症患者の対応を行うことが可能なために救急医は重症患者に時間を割くことができるという点は非常にいいと思いました。またMCCGの救急科は当院に比べるとスタッフ数が多く、重症患者に多くのスタッフを割くことができる点も非常に印象に残りました。実際急性心筋梗塞の患者さんが搬送されてきた際にすぐに多くのスタッフが集合し分担された仕事をテキパキとこなしあっという間にカテ室へ運ばれていった症例があり特にその点を実感しました。
 実際に私が見た救急科での症例内容としては違法薬物関連の症例以外は当院で経験したものと大きくは異ならないように思います。(私は見れなかったですが銃傷もしばしばあるようですが...)また医療制度やスタッフ数の違いはあれども医療の質としても当院と大きくは異ならない、むしろ日本人のほうが丁寧で細かい配慮があるように思いました。

感染症科

 感染症科での研修を選択した理由は、当院へ指導医としていらっしゃったカートナー先生のもとで感染症を勉強したかったということと、日本では(特に黒部では)まれなHIV患者の診療を見学したいと思ったことがあげられます。
 感染症科にはカートナー先生を含め4人の専門医が所属していました。入院患者の診察やホープセンターというHIV患者専用のクリニックで外来患者の定期診察等を先生方について見学させていただいたり、研修医向けの講義やカンファレンスにも参加させていただいたりしました。ホープセンターはMCCGから車で15分ほど離れたところにあるのですが看板もでておらず一見病院とはわからないような建物で、HIV患者さんのプライバシーに配慮した外観となっていました。外来患者さんは基本的には薬物治療によりウイルスコントロール良好な方が多い印象でしたが、その一方で自分の病気が受け入れられず精神的にもまいっている患者さんや副作用に悩まされている患者さんも少なからず見受けました。そういった患者さんが治療中断してしまわないように、先生方は優しく励ましたり、時には厳しい言葉で指導したりしておられました。
 入院患者さんは肺炎などの一般的な感染症はもちろんですが、ウイルスコントロール不良のHIV患者さんが日和見感染症を発症して入院されていたことがとても印象に残りました。さまざまな理由で治療導入拒否をされたり、治療中断となってしまった若年の患者さんが日和見感染症を発症し苦しんでいる姿を見ると、HIVの感染自体の予防、また感染してしまった場合に薬物療法である程度ウイルスコントロールができるということを患者に教育することが本当に重要だなと思いました。

出会った人々

 今回の研修を通じて出会った方々はみな明るくてフレンドリーで、つたない英語しか使えない私に本当に優しくしてくださいました。先生方や看護師さんが食事に連れて行ってくださったり、自宅に招いていただいたりしたおかげで、研修が終わった夜も楽しく過ごすことができました。ちょうど滞在中にハロウィンがありパーティに招いていただきましたが、仮装した子供たちが次々と「Trick or treat!」と訪ねてくるという本場のハロウィンも経験することもできました。
あとMCCGで最も印象に残ったことの一つが、アメリカ国外の医大を卒業した医師が思った以上に多かったことです。言語の壁や医療制度の違いがありながらアメリカの医師免許を取得し、それぞれの事情で懸命にアメリカで働いておられる先生方の姿には感銘を受けました。ただ他の医療従事者や患者さんも特に医師の出身地を気に留めている様子はなく、移民の多いアメリカでは特別なことではないのだなとも思いました。私も外来患者さんの問診・診察を英語でさせてもらう機会があったのですが、つたない英語の日本人にほとんどの患者さんが快く協力してくださり、有難かったです。

最後に

 平日は研修でさまざまなことを勉強させていただいていたのですが、週末はラスベガス・グランドキャニオン、ニューヨークへも足をのばすことができ、観光も楽しむことができました。今後もことあるごとに繰り返し思い出すような素敵な思い出ができ、一緒に観光を共にした同期の河野先生、看護師の富田さんにも重ねて感謝いたします。ありがとうございました!
 今回の研修を通して学んだことを、今後医師として生きていくときに何かしら役立てていきたいと思うとともに、今後もこの素晴らしい研修が続いていくといいなぁと思っています。


 
MCCG正面玄関にて (左)、ハロウィーン姿のスタッフと(右)

 
グランドキャニオンにて (左)、カートナー先生と (右)





黒部市民病院

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