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高田昇医師

平成21年9月26日-平成21年10月25日

2009年の9月下旬から10月下旬の4週間、アメリカの中央ジョージア医療センターで研修をさせていただきました。中央ジョージア医療センターが存在するメーコンはジョージア州で2番目に大きな町です。人口は10万人程度ですが、中心地には居酒屋のような店も多く、小さな飛行場も存在し、規模としては魚津と黒部を足したくらいだったように思います。メーコンには日本料理の外食店が多く、ショーグン、ミカタ、タキ、ナゴヤ、ショーキなどどこで習ってきたのか甚だ怪しい名前のお店がたくさんありました。どの店でもスシとテリヤキチキンを注文することができ、マクドナルドのハンバーガーばかり食べてないといけないのではないだろうかと渡米前に心配していた私としてはとても充実した食生活を送ることができました。

中央ジョージア医療センターは病床数637床、人口約75万人をカバーする、ジョージア州で2番目に大きい病院です。今回の研修に際して、救急部で1週間、感染症内科で3週間研修させていただきました。 最初の1週間はリン先生、辻先生、太田看護部長、西村さんも同行してくださり、大人数で、大変楽しい時間を過ごすことができました。以前に訪問していただいた先生方にも何度かお食事に誘っていただいたのですが、どの先生も黒部での思い出を楽しそうに話してくださり、中央ジョージア医療センターと黒部市民病院の交換プログラムが、温かいムードで培われていることを感じることができました。

病院での研修では、救急部でも感染症内科でも、日本との環境の違いに驚くことばかりでした。最初の一週間を過ごした救急部では、患者さんが一人一人個室でベッドを割り当てられていて、テレビも付いており、普通に診察、検査で帰る人もまるで入院したかのような状況になっていたのが印象的でした。またスタッフの分業化が進んでおり、患者さんの搬送をする人や、心電図を取る人などそれぞれに役割がはっきりしていたこと、働いているスタッフの数が多いことも印象的でした。 中央ジョージア医療センターでは、救急部にも事務のオフィスがあり、救急受診された患者さんの数や在院時間などが毎日記録され、フィードバックされていました。

また、PTCAのdoor to ballon time、tPAのdoor to treat timeなどについても検討されており、各診療科毎ではなく、救急部の対応としてデータがとられ、改善を図る姿勢が感じられました。 感染症内科では2007年に黒部を訪問されたカトナー先生の元で研修をさせていただきました。カトナー先生はHIVの患者さんを中心に診療をおこなっておられました。アメリカではHIVの患者さんは100万人以上もいるそうですが、HIVの患者さんに対する偏見や差別は根強く、医療保険の問題も絡んで周囲からの状況は非常に厳しい方が多かったように思います。カトナー先生の患者さんは1200人中、300人は全く保険に加入出来ていないそうです。患者さんのカルテにも毎回、保険を確認する欄があり、保険の状況によって最新の薬剤が処方できないなど診療内容への配慮を求められる状況にありました。

アメリカの医療保険は職業に付随してついてくるような形式になっており、職がない人や、低収入の人は医療をかなり制限される傾向にあります。HIV患者さんでは最初は職もあり、医療保険も入っていたのに、感染が判明し職と保険をなくしてしまった人なども存在していました。

このような複雑な医療保険による診療の制限は、日本にはないもので、規模が大きく、いろいろな意味で進んでいるように見えるアメリカの医療業界も大きな問題を抱えているのだということを垣間見た思いでした。 今回の研修を通して感じたことは、日本とアメリカでは病院の見た目や、設備、人員の面で受ける印象は大きく違うものがありますが、根本的には行われている医療は非常に似ているということでした。先進の医療研究は世界中で行われていることと思いますが、どこの国でも非常に似た医療が行われているということがなんだか不思議に感じました。

今回このような研修の機会を与えていただき、貴重な経験ができたことを、黒部市民病院の皆さんに心より感謝しております。今後も今回させていただいた経験を生かして行きたいと考えております。本当にありがとうございました。

 
感染症内科のDr.Katnerと(左)、Emergency MedicineのDr.Doyleと(右)
 
Dr.Katnerのクリニックにて(左)、小児科のDr.Clarkと(右)

黒部市民病院

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