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山田和俊医師

平成20年9月20日-平成20年10月18日

9月20日から10月18日まで約1ケ月間、米国ジョージア州メーコン市のジョージア医療センターで研修をさせていただきました。

最初の3日間は救急救命センターでのオリエンテーションを兼ねた研修でした。一人の医師に付いて手技を観察したり、診断を考えたりしました。運良く銃弾の摘出など日本では見られない症例も見ることができました。ほとんどの検査や治療・手技は日本と大差はありませんでしたが、それまでも過程には大きな違いがあり興味深いものでした。救急救命センターは50以上の診察室があり、受付を終えた患者はまず診察室に入れられます。

次に数人のナースや病院職員が部屋に入り、ルート確保、採血、問診、カルテ記入、医療保険の審査などを並行して行います。そのあと医師を呼び、診察、検査を行うという流れでした。重症患者が搬送された場合にはさらに顕著であり、一度に10人ぐらいのスタッフが診察室に押し寄せ、あっという間に医師の診察までできる形にしてしまいます。正直そんなに急ぐ必要もないのでは?と感じることもあったのですが、普段からの行動がまれに見る1分1秒を争う機会に生かされるのでしょうか。

残りの3週間はせっかくの米国研修の機会でありアメリカらしいものをみたいと考え、日本ではあまりなじみのない家庭医学を選びました。そのうち2週間は外来患者専用のクリニックで、1週間は医療センターで入院診療を見学しました。

クリニックは医療センターから少し離れた場所にあり、そこでは外来患者の診療とともにレジデントや医学生の研修を行っています。そこでは一人の医師に付いて一緒に診察を行ったり、レジデント向けのレクチャーを受けたりしました。診察は基本的に予約制であり、8時半以前に電話をして予約を入れます。予約枠が空いていなかったり、時間に間に合わないと午後からの枠に入れられているようでした。予約枠も15分~30分程度であったため、1人の医師が診察する患者は半日で6~8人前後であり、じっくりと診察できる環境が整っていました。

Family Medicine(家庭医学)というと、日本で言うかかりつけ医のように各々の患者に一人の家庭医がいて、その患者をずっと診ているのかと思っていたのですが、初めての患者を診察することも多く、実際は『何でも診れる総合医』という立場でした。内科系の疾患は勿論のこと、小児、整形、婦人科疾患、皮膚、眼などすべての分野を診察していました。重症で専門的な治療が必要な場合は他科の医師に紹介するのですが、入院が必要な患者でもそのまま家庭医が診ることもあり、その境界は曖昧でした。指導医に、『家庭医が診るのか他の医師が診るのかはどうやって決めるのか?』と聞いてみると、『患者が決める』との答え。日本では専門医志向が強く大病院に患者が集中しており問題になっているのに、なぜアメリカでは家庭医が成り立つのかと疑問に思ったのですが・・・答えは簡単でした。家庭医では複数の疾患を抱えていても一人の医師の診察で済んでしまい、行う検査も少ないため医療費は安いそうです。(レジデントの研修向けのクリニックでは特に)。後日、アーシュ先生(内科の開業医)の医院を見学させてもらったのですが、そこに来る患者も家庭医のクリニックに来る患者も抱えている疾患や症状はほとんど同じで、雰囲気だけが違いました。さすがアメリカ。

今回1ヶ月の研修で文化や環境が違うアメリカの医療を知ることができ、比較することで日本の医療の良い点・悪い点が見えるようになりました。なかなかできない非常に大きな経験だったと思います。この機会を作ってくださった関係者の方、病院職員の方々に心から感謝を申し上げたいと思います。

 
Dr.BurtnerとFamily Health Centerにて(左)、Dr.Griffin邸にて、娘婿のPaulと(右)
 
Dr.Girton、Dr.Burtnerと(左)、The Georgia Heart Centerにて(右)

黒部市民病院

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